英IDBSが英インフォセンスを買収

統合データ管理ソリューション提供、多種大量のデータ統合・分析可能に

 2009.07.04−生物系のデータ管理システムで知られる英IDBSは6月26日、同じく英国のデータマイニングツールベンダーであるインフォセンス社を買収すると発表した。買収金額などは明らかにされていないが、7月中に買収は完了するという。両社の統合により、ライフサイエンスおよびヘルスケア分野の研究開発において、完全なデータ管理/データ解析の基盤技術を提供できる世界で唯一のベンダーになったとしている。

 IDBSは1989年設立の未上場会社で、米国の拠点も含めて社員数は170人。「ActivityBase」や「E-WorkBook」などの製品で知られ、医薬品の創薬から開発にいたるR&Dプロセスをサポートするデータ管理ソリューションを提供している。

 一方のインフォセンスは、ロンドンのインペリアルカレッジでの研究成果をもとに1999年に設立されており、大量データのマイニング技術を中心にしたビジネスインテリジェンス/サイエンティフィックインテリジェンス分野のソリューションで高い実績を築いてきている。とくに、ゲノム、バイオマーカー、臨床データなど、大規模なデータ統合/データ解析が得意。製薬業向けが中心だが、金融分野にも実績が広がっているという。

 現在、R&Dプロセスを通して活用すべきデータの種類と量が爆発的に増大しているため、それら多様で大量のデータを集め、統合し、分析するための包括的なソリューションが要求されている。今回の買収は、そうした狙いのもとに行われたもので、とくにデータが急拡大しているバイオマーカー探索やオーダーメイド医療の分野をターゲットとしていく。

 ただ、技術的には幅広いR&D領域に対応できるため、ライフサイエンスだけでなく、アカデミック、コンシューマー製品、材料科学、食品、エネルギーなども対象にしていきたいようだ。

 なお、インフォセンスのブランドや製品は、買収後も引き続き発展が図られる模様であり、今回の買収は既存ユーザーにも大きな利益になるとしている。