2009年冬CCS特集:インフォコム

ケムインフォ領域で積極展開、ウェブ環境でデータ視覚化

 2009.12.03−インフォコムは、ライフサイエンス領域に特化したCCSベンダーとして、創薬化学・分子設計、研究データ管理、分析・統計、バイオインフォマティクスなど幅広いソリューションを展開。今年はケムインフォマティクス分野の製品戦略を重点的に強化した結果、事業全体のバランスも良くなっているということだ。

 とくに、10月末に発売したばかりの英ドットマティクス製品は、11月に開催したセミナーも好評で、早くも積極的な引き合いが寄せられている。これは、化合物データベースの構築・検索・登録、研究データの視覚化とデータマイニング、研究情報の共有など、ケムインフォマティクス領域の統合ソフトとしての基本的な機能を備えた製品。

 オラクルカートリッジ対応で、他社製品を含めたほとんどの化合物データベースに接続でき、ウェブ環境で大量のデータの視覚化や解析を行うことが可能。近く生物系データの管理ができる新しいツールも追加される。欧米ではかなり導入が活発になっているという。

 また、フリーのワークフローツールとして注目されている「KNIME」を利用したソリューションにも力を入れている。ハンガリーのケムアクソン社のケムインフォ製品と連携させるためのノード集を「JChemエクステンションズ」として独自に製品化しており、今年7月にはその一部を無償でも公開した。

 KNIME関連では、産業技術総合研究所からノード開発を受託するなど、事業に広がりが出てきているようだ。KNIMEについては、先行して3年ほど前から技術を蓄積しており、さらに体制を強化して取り組んでいく。

 一方、米シュレーディンガー製品は、同社のCCS事業の主力として依然として好調を持続。創薬研究支援のための総合的なスイートで、とくにドッキングシミュレーションの「Glide」と「Prime」は抜群の知名度を誇る。需要はすでに一巡した感があるものの、ライセンスの追加購入などがあり、引き続き高い伸びを示している。