2009年冬CCS特集:ウェイブファンクション

高専など教育用途で実績拡大、ウィンドウズ7で動作確認

 2009.12.03−ウェイブファンクションは、企業での研究用途から大学などでの教育用途まで幅広く利用できる分子モデリングソフトの最新版「Spartan '08」(スパルタン)の普及をさらに促進させる。とくに、今年は国立高等専門学校(高専)への導入が好調。教育分野での活用を後押しするためのワークショップ活動も引き続き好評を得ている。

 Spartan '08は、Windows、マッキントッシュ、Linuxの各プラットホームに対応。64ビットOS(基本ソフト)のサポートやクアッドコアプロセッサーの活用など、高速計算が特徴となっている。最新版のWindows7やマッキントッシュのスノーレパードでの動作確認も取れているという。

 64ビット環境を生かすことにより、密度汎関数法(DFT)やハートリーフォック法といった量子力学での大規模計算が可能。溶媒中における安定平衡構造の計算などで威力を発揮する。また、Spartan '08には計算結果を収録したデータベースも付属しており、こちらも評価が高まってきている。

 同社は、化学教材ソフト「Odyssey」(オデッセイ)も提供しているが、富山高専・物質化学工学科(河合孝恵准教授)においてSpartan 50本およびOdyssey 50本の一括契約がなされた。とくに Odysseyでは初の大口受注。後期から授業に使われているもようで、その教育効果が注目されるところだ。

 一方のワークショップは、開発者であるヒーリー社長(カリフォルニア大学名誉教授)が、Spartanを活用した教育法のノウハウを自ら提供するもので、10年以上にわたって国内で行われてきたが、ニーズは一向に途絶えない。次は、年明けの1月19日に東京で開催が予定されている。詳細は同社ホームページにて確認されたい。

 こうした活動を通してソフトウエアの需要も確実に広がっている。分子モデリングをより身近にするため、ひとり1本の普及を目指していきたいという。