米CASが人工知能(AI)でSciFinderを機能強化
検索・反応・知財に新機能、科学スマートAIを搭載
2025.08.23−米ケミカル・アブストラクツ・サービス(CAS)は4日、科学情報の検索と洞察のための統合ソリューションである「CAS SciFinder」に新しい人工知能(AI)機能を順次搭載していくと発表した。“科学スマートAI”(Science-smart AI)と呼ぶアプローチを採用しており、CASが長年蓄積してきた高品質で構造化された科学データ(CAS Content Collection)をベースに、科学者による検証を経たAIモデルを組み合わせることで、信頼性の高い科学的回答を提供できるようにしている。構造検索、反応検索、知的財産(IP)検索の各場面で利用できるAI機能が用意されており、今後2カ月間にわたって順次提供開始される。
検索で利用できるのは「SeaechSense」。研究開発のワークフロー全般にわたって科学情報へのアクセスを改善し、研究者が実用的な答えに迅速に到達できるように開発された。ユーザーが1つの検索ボックスに自然文で質問すると、AIを活用した要約によって回答内容を素早く解釈し、最も関連性の高い情報をピンポイントで特定し、信頼できる明確な答えを得ることができる。また、AIがユーザーのアクティビティを学習し、検索結果をパーソナライズし、次回以降の検索を効率化できる機能も持っている。こうしたユーザのクエリー、結果、インタラクションのセキュリティを確保するため、AI機能はクローズド化されている。ベータテスターの93%から好意的な感想を得ているという。
次に、反応検索で使用できるAI応用逆合成解析機能も強化された。「Interactive Retrosynthesis」では、従来は数分かかっていた合成経路のマップ生成が数秒で完了するようになったという。合成マップ上にエビデンスを直接表示して、複数経路を素早く比較できるようにすることで、効率を大幅に向上させ、反応計画の作成や最適化において高い創造性を発揮できるとしている。
3つ目は、IP状況の可視化ニーズに対応するための「IP Collections」で、SciFinder上でのIP検索サポート、可視化機能、特許詳細情報が追加された。CAS独自のAIアルゴリズムにより、任意の自由記述から関連する特許・非特許文献を自動で照合。研究者は通常のワークフローの中で先行技術を容易に特定でき、優先順位付けの精度向上と時間・投資のムダを回避できる。特許情報は視覚的に整理され、技術的な重複や競合のリスクを早期に把握できる。
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