2026年夏CCS特集:HPCシステムズ
化学反応解析で独自の強み、MI材料探索でも実績増
2026.06.23−HPCシステムズの計算科学事業は、材料探索、化学反応解析、マルチスケール連成、データサイエンスの4領域を柱とし、研究開発に対するシミュレーションやAI(人工知能)の活用を後押ししている。
とくに、化学反応解析はオリジナリティを発揮できるコア技術として10年以上取り組んでおり、北海道大学・化学反応創成研究拠点(ICReDD)と協力して化学反応経路自動探索プログラム「GRRM」を製品化。最新版「GRRM26」の独占販売に加え、今年からは外部機関として初めて正式なサポートサービスも提供している。有償サポートで研究課題への対応を支援するほか、実習形式で使い方を学ぶ入門セミナーもすでに実施している。
また、「GRRM26」自体の新機能としては、高精度量子力学計算の代わりに半経験的手法や機械学習ポテンシャルを用いた場合にも、反応経路の探索性能を最適化できる機能が追加された。全体の処理時間が大きく短縮されるということだ。
一方、材料探索では、望みの物性を持つ分子を探索する逆問題解析用MI(マテリアルズ・インフォマティクス)ツール「M-EVO」の評価が高まっている。PoC(概念実証)プロジェクトがいくつか進行しているが、最新の事例では北九州市立大学・伊藤理彩准教授の研究室との共同研究が進んでいる。河川汚染リスクの高い有害化学物質を予言・探索しようというもの。
この事例も含め、「M-EVO」の活用を推進しているのが、新しいHPC利用環境を提供する「Open OnDemand」(オープンオンデマンド、OOD)である。もともとは米オハイオスーパーコンピューティングセンターで開発されたウェブポータルで、Linuxコマンドなどを必要とせず、ウェブブラウザーからのマウス操作でHPCクラスターシステムを利用することが可能。同社では、「M-EVO」での活用だけでなく、HPC専門ベンダーとしてハード・ソフトを合わせたさまざまなOODへの要望に応えている。
なお、同社では、7月からの新年度に当たり計算科学事業のプロモーションに力を入れることにしており、今年からリニューアルした「HPCシステムズ 計算科学フロンティアワークショップ」を開催する。AIと量子コンピューターの現在と未来を探ることをテーマに、8月19日に東京での開催を予定しており、こちらも注目される。