2026年夏CCS特集:モルシス

AIツールとの統合が進展、クラウドサービス新提供

 2026.06.23−モルシスは、計算化学と情報化学をベースに生命科学と材料科学の両分野の研究向けソリューションを提供。先端の研究課題に対する的確な支援を実施している。

 主力製品は親会社でもある加ケミカルコンピューティンググループ(CCG)の統合計算化学システム「MOE」で、今年のバージョンアップは夏以降に予定されているが、創薬モダリティへの対応が継続的に強化されている。同時に、AI(人工知能)への対応も進んできており、アストラゼネカが開発したAI逆合成解析ツール「AiZynthFinder」とのインターフェイスが組み込まれた。MOEに読み込んだ分子群に対して、合成経路の予測や合成可能性の評価をGUI上で実行できる。このほかに、分子構造を生成するAIなどの外部ツールとの連携も進めているという。

 また、CCGが2022年に買収した仏discngine(ディスケンジン)が提供するクラウド型ソリューションを国内でも紹介する。まずは高品質な抗体構造モデリングと物性推算を大規模に実行できる「3dpredict/Ab」。MOEの抗体モデリング機能と連動し、アミノ酸配列および立体構造データから、インシリコによる抗体の開発可能性をハイスループットで評価できる。大量の計算処理をクラウド上で実施できるのが利点だ。ほかに、構造活性相関(SAR)レポートを生成・可視化・更新する「Ideation SAR Slides」、タンパク質立体構造情報をクラウド上で一元管理できる「3decision」といったサービスも揃っている。

 生命科学向けでは、英ハンソンウェイドの医薬品開発意思決定支援ツール「Beacon」の注目度も高い。創薬モダリティや治療領域ごとに医薬品の詳細データ、臨床試験情報、市場動向分析までを網羅したデータベースだが、最新版ではCVRM(循環器・腎・代謝領域)の情報が追加されている。そのほか、毒性・安全性評価ツールとして実績豊富な英Lhasa(ラーサ)製品も、現在はモルシスの取り扱いとなっている。疾患−遺伝子関連ネットワークを網羅したスペインのメドバイオインフォマティクスのデータベース「DISGENET」も実績が上がってきたという。

 一方、材料研究向け計算化学システムでは、オランダSCM社の「AMS 2026」(アムステルダムモデリングスイート)の評価が高い。とくに、機械学習ポテンシャル(MLP)のサポートに力を入れており、eSEN、MACE、UMAなどに対応。AMS内でMLPのパラメーターを最適化するワークフローツールがよく利用されているということだ。


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