2026年夏CCS特集:レビティジャパン
クラウド型で研究開発支援、AI関連新製品も投入へ
2026.06.23−レビティジャパンは、創薬から治療までのワークフローをカバーする包括的なライフサイエンスソリューション、テクノロジー、およびサービスを提供。Signalsソフトウエア事業としては、電子実験ノートをはじめとするデータ駆動型の研究環境をクラウドベースで展開しており、大学・研究機関をはじめ、製薬企業、医薬品開発受託機関(CRO)、化学品・機能材料、食品・化粧品・香料などの幅広い産業分野にも実績を広げている。
クラウドベースの「Signals One」は、電子実験ノートの「Signals Notebook」、データレイク機能を備えた次世代意思決定統合プラットフォーム「Signals Inventa」、実験装置から出力されるデータの入力から分析・解析までのワークフローを実現する「Signals VitroVivo」が含まれたスイート製品で、研究記録とそれに紐づく実験データを安全に取得・管理・共有することができる。
顧客数、ユーザー数ともに好調に伸びており、医薬品開発では、合成・化学分野から生物、CMC領域へと広がるとともに、医薬以外の機能化学品を対象とした用途でも導入が目立っている。機能強化も高い頻度で実施され、最近では電子ノート内でChemDrawのHELM機能がシームレスに利用できるようになったり、電子ノート内の表データをもとにグラフを描画したりする機能が追加された。定型的なHTSデータ解析などは、Spotfireを立ち上げなくてもノート上だけで簡単に行うことができる。また、データレイク機能の更新処理なども強化されている。また、コンプライアンス対応のGLP/GMP領域における新しいソリューション「Labgistics」も今年後半から本格的な紹介を始める計画である。
今後のメジャーな機能強化としては。Singals Oneで複数の素材・原料からなる配合・製剤など、材料研究用途のデータを扱えるようにする「フォーミュレーション機能」を開発中。欧米の医薬・化学メーカーとコンソーシアムを組んで製品化を進めており、年内にはリリースしたいということだ。
さらに、次世代の抗体、細胞、遺伝子治療開発を目的とした分子生物学チームに向けた新ソリューション「Signals BioDesigen」を今年4月にリリースした。分子クローニングのためのゴールデンゲート法、ギブソンアセンブリー、制限酵素/ライゲーションクローニングなどによるプライマー設計やシーケンス解析を単一プラットフォーム上で実行できるように機能の充実が図られていくようだ。
AI(人工知能)への対応も進展している。その1つが「Signals Xynthetica」(Signalsシンセティカ)。イーライリリーとの共同プロジェクトで、Signalsプラットフォームから「Lilly TuneLab」へのアクセスが可能。分子生成AI、機械学習と物理ベースシミュレーションを組み合わせたハイブリッド物性予測、設計目標に対する多目的最適化など、イーライリリーの研究データに基づく多様なAIモデルを使用することができる。このほかにも、Signals Oneに蓄積されたデータを学習した生成AIモデル「Signals AI」を自社開発している。対話型で利用者からの質問に答える機能があり、社内的にはすでに利用しているという。
一方、同社はデータ分析ツールの定番製品である「Spotfire」(クラウドソフトウェアグループ)の販売権も有しているが、こちらでもAI導入が進み、「Spotfire Copilot」が提供されている。ユーザー企業内のデータと連携して利用できる生成AIであり、自然語でSpotfireの機能を使いこなすことが可能。詳しい知識やプログラミングのスキルがなくても高度な利用を行うことができる。レビティジャパンから正式なサポートも受けられる。また、Spotfireの「Lead Discovery Premium」からKNIMEのモジュールやワークフローを呼び出す機能が追加された。
なお、構造式描画ツールの「Signals ChemDraw」は7月からサブスクリプション専用のライセンスに変わる。ユーザーには、常に最新版をダウンロードして使用できるメリットがある。