2026年夏CCS特集:ウェイブファンクション
分子モデリング最新版発売、化学シフト計算を高度化
2026.06.23−ウェイブファンクションは、汎用分子モデリングソフトの最新版「Spartan '26」をリリースした。国内向けにも近日提供が開始される予定。コアの量子化学計算エンジンとして採用されているQ-Chemが最新バージョンとなり、これまでのSpartan '24から正統的な改善、機能強化が施されている。企業の研究や大学・高等専門学校などでの教育用途において、さらに高度な活用を図ることができる。
近年のSpartanの応用で注目されているのが「DFT(密度汎関数法)を利用した化学シフト計算機能」。弘前大学・農学生命科学部分子生命科学科の橋本勝教授(天然物有機化学)と共同開発している機能で、複雑な分子構造を持つ天然有機化合物の構造決定を楽に行うことができる。一連の煩雑な計算手順のレシピ化に始まり、負荷の高い計算をニューラルネットワークに置き換えるなどの機能革新を導入してきた。さらに、今回の最新版Spartan '26には、量子化学計算を使用せず、機械学習モデルだけで解析を行う新機能を搭載。一般的な天然物構造であれば通常90秒以内で答えが得られるという。もちろん、必要に応じてこれまでの計算レシピも使用することができる。こうしたNMR化学シフト計算機能を持つソフトはSpartanだけであり、差別化のポイントとしても重要である。
橋本教授は、この方法を詳細に解説した書籍「実験化学者のための分子モデリング入門〜DFTを活用した構造解析〜」出版を準備中。今年9月に開催される天然有機化合物討論会(徳島市)でお披露目すべく、同社の日本支店も展示場への出展を行う。書籍購入者には一定期間無償で利用できるSpartan '26のデモライセンスも発行することにしている。
そのほか、今年は春の日本化学会、日本薬学会に出展したほか、日本農芸化学会にも参加。11月に弘前大学で開催される「香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会」(TEAC2026)にも参加する。