富士通九州システムズがADMEデータベースを更新

バージョン19を提供開始、動物データ2万3,000件に拡大

 2010.07.13−富士通九州システムズ(FJQS)は、ヒトの薬物動態関連たん白質や薬物の情報を提供する「ADMEデータベース」のコンテンツを7月から更新し、バージョン19としてあらためて提供開始した。272の文献から約1,400件のデータが追加され、全データ件数は約8万件に増大した。とくに、2008年4月から加えた動物データが2万3,000件以上になり、種差の違いに着目した研究に役立つツールとして注目されている。

 ADMEデータベースは、クロアチアのレンディック博士らが収集したデータベースで、薬物代謝に関する最新の論文や学会発表を網羅し、試験管内実験のデータを蓄積してきている。チトクロームP450(CYP3A4、CYP1A2、CYP2D6、CYP2C9、CYP1A1など)を中心に、主要なトランスポータであるP糖タンパク(MDR)、および有機アニオントランスポータ(OATP)などの最新データが追加された。

 近年の医薬品開発では、動物実験で問題がない化合物でも、ヒトによる試験では毒性を発現するケースがみられるようになっており、種差の違いを意識した代謝研究が注目されている。ADMEデータベースは動物データの蓄積も進んできているため、自社化合物と類似の構造を持つ市販医薬品の薬物代謝やトランスポーター情報を利用し、自社化合物のADME(吸収・分布・代謝・排出)に関する種差を総合的に考察することができる。

 利用料金は年間ライセンスで、全データベースパックで民間・国立研究機関向けが157万5,000円、教育機関向けは52万5,000円となっている。


ニュースファイルのトップに戻る