インフォコムが自社パッケージのグローバル販売体制強化

ハンガリー・ケムアクソン通じ販売へ、JChemエクステンションズの海外での普及促進

 2010.07.01−インフォコムは6月30日、ハンガリーのケムアクソン社と提携し、自社開発パッケージ「JChemエクステンションズ」をワールドワイドで販売していくと発表した。創薬研究に役立つツールで、オープンソースのワークフロー型プラットホーム「KNIME」上で化学構造データ処理を簡単に行うことができる。もともとケムアクソンのツールを利用したKNIME用ノード集であり、ケムアクソン自身が販売する相乗効果も大きい。国産パッケージのグローバルな普及という観点でも、協業の成果が期待される。

 JChemエクステンションズ(JChem Extensions)は、2年ほど前にインフォコムが独自開発したパッケージで、ケムインフォマティクス分野の機能を集めたKNIME用のノード集。化学構造を含む各種ファイル形式の入出力、外部プログラムと連携できるように構造タイプを変換するコンバーター、構造認識・描写・可視化を行うビューワーに加え、部分構造検索、データカートリッジ連携、構造標準化、物性計算、フラグメント分解などを行うノードが含まれている。各機能に対応したケムアクソン製ツールをKNIMEのワークフロー上に呼び出すことができる。

 昨年夏からは、基本部分をMarvinファミリーノード(Marvin Family Nodes)の名称で無償公開しており、KNIME上で高品質な化学構造描画を実現できることで多くのユーザーに支持されているという。

 インフォコムは、発売以来、自社の海外拠点などを通じ、海外での普及も推進してきたが、今回の協業はこれをさらに強化することが狙い。JChemエクステンションズに関して、ケムアクソンが日本を除いたグローバルな販売代理店として活動していくことになる。

 最近では、ケムインフォマティクスソフトウエアをワークフローで自動化することがブームとなっており、そうした背景のもとに製薬業においてKNIMEの普及が進んできている。その意味では、ケムアクソンにとってもJChemエクステンションズは事業拡大の大きな武器になると思われる。


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