テラスカイがセールスフォース向けの画面設計ツールを製品化

コーディングなしで容易にカスタマイズ、世界初の機能で米国市場へも

 2010.09.17−テラスカイ(本社・東京都千代田区、佐藤秀哉社長)は16日、セールスフォース・ドットコムの画面設計を自由に行うことができる世界初のツール「SkyEditor2」を開発し、販売開始したと発表した。セールスフォースはSaaS型のアプリケーションとして急速に浸透しているが、画面の自由度が低く、複雑なフォームを実現するには専用のプログラミング言語でコーディングする必要があった。新製品はマウスによるドラッグ&ドロップ、あるいはウィザードによる対話型操作だけで画面をカスタマイズすることが可能。この製品自体もSaaS形式で提供され、初年度50社、次年度150社の採用を見込んでいる。

 同社は2006年4月に設立されたベンダーで、セールスフォース・ドットコム関連の開発やコンサルティングが売り上げの大半を占めている。そのポジションは国内でもトップクラス(セールスフォース認定開発者数1位、コンサルタント数2位)で、導入実績は350社を超えている。

 セールスフォースは、CRMなどの分野で注目されてきているが、画面は2列に項目を並べただけなどシンプルで、複雑なことを行うためには専用言語「Visualforce」を用いた開発が必要になる。日本のコンピューターユーザーは伝統的に画面設計にこだわる傾向が強いため、わざわざコストをかけて画面開発をしたり、逆にあきらめてシンプルなまま利用したりするユーザーが多かったという。

 今回の「SkyEditor2」は、2種類のレイアウトツールと2種類のテンプレートを備えており、コーディングなしで画面のカスタマイズを簡単に行うことが可能。

 このうち「Salesforceレイアウト」は標準画面をベースにした画面設計が行え、データフィールドをドラッグ&ドロップして、列数を増やしたり、テーブルを配置したり、フォントを変更したりすることが自由にできる。また「自由レイアウト」は、実際の帳票をイメージとして背景に取り込み、その配置に合わせてデータフィールドをレイアウトしていくことにより、複雑なフォームを簡単に作成することが可能。

 一方、テンプレートはウィザード形式で利用することができ、検索条件を画面上で自由に変更し、検索結果画面を表示させる「検索画面テンプレート」と、複数画面にわたって入力していくような関連性のあるオブジェクトを1画面で入力できるようにする「親子オブジェクトテンプレート」が用意されている。

 実際に画面の作成を行う「SkyEditor2スタジオ」自体は無料で使用できる。開発した画面をセールスフォース内で利用するためにはデプロイの操作が必要になり、その画面を使用するユーザーID当たり月額2,000円の使用料を徴収する。ひとりのユーザーが何種類の画面を使っても料金は変わらない。ただ、数千人以上のユーザーで大規模に利用する企業もあるため、100万円程度を月額使用料の上限にするということだ。また、このほかに初期費用100万円が必要。

 こうした画面設計ツールは海外にも存在していないため、同社では来年早々にも英語版を製品化し、米国などの海外市場でも販売を行う計画を立てている。また、画面開発が簡単に行えるため、グループウエアなどの用途でセールスフォースを利用する事例が増えてくる可能性もあるとしている。


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