2010年冬CCS特集:アクセルリス

ソリューション川下へ展開、製品統合さらに強化

 2010.12.02−アクセルリスは、シミックス・テクノロジーズと合併し、7月から新生アクセルリスとして生まれ変わった。補完的な関係にあった2大ベンダーの統合により、CCSの全方位を網羅する包括的なソリューションが提供可能。互いの日本法人もすでに統合しているが、12月にオフィスも統合し、年明けからは本格的に新体制での業務がスタートする。来年の戦略が注目されよう。

 両社の合併で、売り上げが1億6,500万ドル、従業員数は600人(うち200人が博士号取得者)、顧客数1,350社と、名実ともにマーケットリーダーに値する陣容となった。とくに、1億6,000万ドルのキャッシュを保有しており、ソリューションを川下へ広げる方向で積極的なM&A戦略も検討しているという。例えば、製薬業向けでは、重点を置いている創薬研究支援領域に加え、今後は新たに新薬開発から製造承認に向けた領域にまで取り組みを進めたいとしている。

 さて、国内においては電子実験ノートブック「Symyx Notebook」の普及が焦点になる。化学合成・生物・分析・製剤など各部門で共通のプラットホームとして利用できるエンタープライズレベルの電子ノートであり、欧米では他社製品から乗り換えを検討する企業が増えているということだ。国内でも、パートナーのCTCラボラトリーシステムズとの連携で複数の導入実績を築きつつある。

 とくに、合併によるシナジーはワークフローのための基盤製品である「Pipeline Pilot」(PP)との連携でもたらされる。来年2月リリース予定の電子ノート最新版でPPとの統合が強化され、実験計画を記入した時点でワークフローが働いて予測値などを自動計算し、実験後にそれを比較検証するといった作業がシームレスに行えるようになる。また、情報基盤システム「Isentris」も、PPとの統合が次期バージョンで予定されており、製品間の連携の価値がさらに高まると期待されている。

 モデリング/シミュレーション製品も、材料系の「Materials Studio」が10月にバージョンアップされたのに続き、生命科学系の「Discovery Studio」も12月に最新版がリリースされる。ともにPPとの統合が一段と進み、解析の自動化にも拍車がかかってきている。


ニュースファイルのトップに戻る