2010年冬CCS特集:CTCラボラトリーシステムズ

法規制チェックで導入拡大、他社製品との統合も

 2010.12.02−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、創薬研究から非臨床・臨床・市販後調査まで医薬品研究開発プロセス全体をカバーする広範な製品群を持つ。専門ベンダーとして20年の実績があり、海外の優れたパッケージソフトだけでなく、自社開発した独自パッケージでも強みを発揮している。

 自社製品の中では、とくに法規制化合物チェックシステム「RegSys」の注目度が高い。社内で合成したり保管したりしている化合物が、覚せい剤取締法や麻薬・向精神薬取締法、薬事法の指定薬物などの各種法令に該当していないかを判別するもので、コンプライアンス遵守の観点から導入が活発化している。とくに、関連する法令が頻繁に改正されるため、人手ではチェック漏れが生じる恐れもあり、システム的な対応へのニーズが高まっていることがその背景にある。

 RegSysは自社開発しているため、国内の顧客の要望を最大限に取り入れることができる。2年前から開かれているユーザー会も活発で、開発方針を左右する有益な議論が毎回行われるという。

 同社が力を入れているのが電子実験ノートとの連携。実験に際してノートに反応物や生成物を記載した時点で法規制チェックができるため、法令違反のリスクを最小にとどめることが可能だ。実際、同社が販売しているアクセルリスの電子ノート「Symyx Notebook」でも、RegSysと組み合わせたプロジェクトが多くなっているという。

 現在は、主に製薬業に関係した法令に対応しているが、化学メーカーや大学・研究機関などでも、取り扱う化合物の法規制チェックをしたいというニーズが大きいため、今後はさらに幅広い法令をサポートしていく計画だ。

 また、Symyx Notebookについては、研究所の品質管理業務や分析業務のための統合システムである「STARLIMS」(米スターリムス)との連携を進めたい考え。異なるベンダーの製品であるが、同社のシステムインテグレーターとしての経験と技術力を生かして取り組んでいく。


ニュースファイルのトップに戻る