化学情報協会が「SciFinder」普及促進策打ち出す

eラーニング用コンテンツ拡充、大学院生など若手研究者支援も

 2011.03.15−化学情報協会は、科学情報検索オンラインサービス「SciFinder」の幅広い利用者層への普及・浸透を促進するため、eラーニングツールの拡充に着手した。基本的な操作法を学ぶための自習用ツールで、これまでも講習会などを定期的に開催しているが、いつでも自分のペースで学べるようにeラーニング用コンテンツを拡充している。日本語で、1つが数分と手軽に学べることが特徴となっている。

 SciFinderは、物質・反応・文献・特許を網羅したCAS(ケミカルアブストラクツサービス)データベースを利用するためのオンライン検索サービスで、ウェブ版を中心にした定額利用ライセンスの普及により、利用者の裾野が広がってきている。それにともない、操作法の学習へのニーズも増大していた。

 今年から日本語版eラーニング(http://www.jaici.or.jp/sci/elearning/index.html)のコンテンツを増やしており、現在は文献検索分野で「研究トピックの検索」、「文献の検索結果の表示」、「文献検索」、「文献集合の解析」、「文献識別情報の検索」、物質検索分野では「完全一致構造検索」、「部分構造検索」、「類似性構造検索」、「マルクーシュ構造検索を用いた特許検索」−を利用できる。英語版では31種類のコンテンツが公開されているため、日本語版も今後は反応検索分野などを含めて順次拡充していく予定である。

 ほとんどが5〜6分ほどの時間で手軽に学べるほか、すべて無料で契約者以外でも利用できるため、これから使ってみたいという人が機能を体験する用途にも適しているという。

 また、SciFinderを利用する若い研究者を支援する目的で開催される「SciFinderアカデミックエクスチェンジプログラム」(SAEP)への参加者募集も始めた。これは、大学院在籍の学生が応募できるもので、今回が第2回に当たる。昨年は8ヵ国から11名が参加し、貴重な情報交換を楽しむことができたという。米国化学会(ACS)の年会への参加も合わせて費用はすべてCASが負担する。申し込みには、化学情報検索の経験や興味のある点などについて英語でエッセイを書いて応募する必要がある。締め切りは4月15日まで。


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