アクセルリスが「Symyx Notebook」の最新バージョン6.6

パイプラインパイロットとの統合強化、研究開発の組織力向上

 2011.06.02−アクセルリスは、電子実験ノートブック(ELN)の最新版「Symyx Notebook by Accelrys」バージョン6.6をリリースした。エンタープライズレベルの研究開発基盤となる“Accelrys Enterprise R&D Architecture”に基づき、システム間連携の中枢である「Pipeline Pilot」をベースにした機能性を取り入れた。医薬品開発のプロセスと、その過程で生成される多種多様なデータを調和させ、研究開発のための企業内の組織力を高めることを可能にしている。合成実験の効率化だけにとどまらず、製剤から臨床試験までの期間を短縮させることで、新薬開発プロセス全体の効率化が図られるという。

 Symyx Notebook by Accelrys バージョン6.6は、Pipeline Pilotとの統合が強化されているため、ELNの中からシームレスにPipeline Pilotの強力なデータ処理およびレポート作成機能を呼び出すことが可能。また、データ管理のための基盤製品である「Accelrys Isentris」とも統合されているため、強力な検索機能を利用することができる。ELNデータベースと別のソースの情報とを横断的に検索することにより、組織全体での情報共有が促進されるため、同じような実験を別の部門で繰り返し行うようなことを避けるなど、より的確な意思決定を下すことができるようになる。

 研究情報統合管理システム(LIMS)や科学データ管理システム(SDMS)、クロマトグラフィーデータシステム(CDS)など、実験インフォマティクスソリューションとの連携にも力を入れており、一貫したかたちでの正確な情報の保存と処理が可能になるなど、知的財産を収集する意味でもその機能性が注目されているという。

 同社では、製薬企業の合成、分析、製剤、生物製剤、薬理、プロセス化学など、異なる研究部門のニーズに対応し、経験豊富な専門スタッフの導入サービスを組み合わせてシステムの提供を行っている。

 欧米で実績が先行しているが、ユーザー会などでは「ドキュメント作成の時間を50%削減」、「1ユーザー当たり7万5,000ドル相当の生産性改善」、「レポート作成と特許準備の時間を25%削減」、「分析・製剤・製造部門で10%の時間短縮」、「ドキュメント作成の自動化を通して20-40%の時間削減」、「過去のひな型を利用することで実験の効率が25%向上」などの効果が報告されているという。


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