2011年夏CCS特集:ウェイブファンクション

64ビット対応最新版を提供開始、価格改定で安価に導入

 2011.06.23−ウェイブファンクションは、分子モデリングソフトの最新版「Spartan '10」のリリースを開始した。Windows版とマッキントッシュ版に加え、Linux版も提供しており、大学や高専などでの教育用途から企業での研究用途まで、幅広く対応できるパワフルさにいっそう磨きがかかってきている。

 Spartan '10は完全64ビット対応で、巨大メモリーを生かした大規模計算に対応したことが特徴。マルチコア環境を利用した並列処理も得意としている。新しいPM6パラメーターなど量子化学計算の機能強化が図られたことに加え、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)もさらに洗練された。

 パッケージは、シングルコア利用のシリアルエディションと、マルチコア対応のパラレルエディションに分かれているが、価格改定も行われており、これまでよりも低価格での導入が可能。標準の1年間保守付き(3年保守も選択可能)で教育機関向け17万4,000円、政府機関向け37万2,000円、民間企業向け55万8,000円から購入できる。このほかに教育用途に限定したスチューデントエディションも選択できる。

 また、量子化学計算の結果を収録したデータベースも個別製品として整えられた。構造情報が収録された「SMD」と、IRやNMRスペクトルデータを収めた「SSPD」があり、後者には構造活性相関(QSAR)を行うための物性データも多数登録されている。

 そのほか、活用事例を紹介するユーザーレターを今年から発行し始めている。


ニュースファイルのトップに戻る