2011冬CCS特集:シュレーディンガー

日本法人設立で事業に弾み、大学など利用者増狙う

 2011.12.07−米シュレーディンガーは全額出資で日本法人を設立し、10月から自社での販売・サポート業務を開始した。日本法人ができたことで、欧米で実施されているコンサルティング事業などにも力を入れていく計画。とくに来年は、日本法人の発足キャンペーンを展開し、立ち上げに弾みをつけていく。

 同社は、医薬品開発をターゲットにした分子モデリング/シミュレーションソフトベンダーの大手で、ストラクチャーベース(SBDD)とリガンドベース(LBDD)の両面からのツールを多数提供している。代理店を通して日本市場でも長年の実績があり、すでに多くの製薬企業に導入されている。

 とくに、たん白質立体構造予測の「Prime」と薬物分子とのドッキング解析を行う「Glide」の組み合わせによるソリューションで知られているが、その他にもユニークな製品が増えてきている。

 今回のキャンペーンはそれらのソフトの実力を実際に試してもらうことが狙いとなっている。トークンライセンスの契約数に応じて、各ソフトの年間使用権を無償提供するもの。例えば、18トークンまでの契約では、Glideのエキスパートモード用の可視化ツール「XPビジュアライザー」、Glideの解析結果からのデータマイニングに活用できる「Canvas」、ファーマコフォア解析を行うLBDD系の新製品「Phase」の使用権を入手できる。20トークン以上になると、さらに分子動力学ソフトの「Desmond」や量子力学/分子力学ハイブリッドエンジン「QSite」などさらに多くのソフトが利用できる。

 また、シュレーディンガーの著名なSBDDソリューションを大学で活用したいというニーズに応え、アカデミックキャンペーンも行う。ドッキング解析を中心にしたパッケージセットを約100万円(年間使用権)で提供するほか、使用できるソフトを増やしたアドバンスドパッケージ(約200万円)、フルパッケージ(約300万円)も用意している。

 同時に、大学でのオンサイトワークショップ(体験会)も積極的に開催していきたいとしている。


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