日本オラクルがライフサイエンス業界向けソリューション強化

臨床試験および安全性管理製品の機能向上、個別化医療へ向けプラッホトーム提供

 2011.10.21−日本オラクルは20日、「オラクルヘルスサイエンスフォーラム」の開催に合わせて、医薬品産業および医療関連市場への取り組みについての記者説明会を開催した。ライフサイエンス(医薬・バイオ)とヘルスケア(医療)を融合させた個別化医療の実現に向けて、オープンで柔軟なプラットホームや最新技術に基づく専門的なアプリケーションを段階的に提供していく同社の基本戦略が説明された。

 米オラクルのヘルスサイエンスビジネスユニット、シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのニール・デ・クレセンゾ氏らによる説明会の要旨は以下の通り。

 − 医療の質の低下や医療費の増大といった根本的な問題を解決するためには、病気を治療するのではなく患者を治療するのだという考え方の転換が必要。個人の遺伝子情報を中心にしたライフサイエンスと先進的な医療を実現するヘルスケアが統合されれば、予測的・予防的で患者参加型の個別化医療の実現につながる。

 − オラクルは個別化医療のエコシステム全体にわたるライフサイエンスおよびヘルスケアソリューションを段階的に整備していく。組織と役割を越えて情報を統合できるオープンで柔軟なプラットホームを提供し、その上で各分野の専門家が利用できる高度なアプリケーションを開発していく。とくに今後は、トランスレーショナル医療のためのプラットホーム技術や、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の活用に関する技術が注目されると思う。

 − 日本オラクルとしては、現時点ではライフサイエンス市場での展開が先行している。とくに、新薬の開発段階を支援する臨床系のソリューションに強い。とくに今回、SaaS型のアプリケーションを強化した。

 − 1つ目は市販後調査(PMS)のための電子化ソリューション「OutcomeLogix 3.0」で、医師やMR(医薬情報担当者)が入力しやすく、データの信頼性を高めることができる。調査データの入力・確認・レビュー・承認といった一連のプロセスをオンライン処理することが可能。

 − 2つ目として、臨床試験データの電子データキャプチャー(EDC)ソリューションである「InForm GTM」の最新バージョン5.5は、新しいデータビューアーを搭載したことが特徴。データ管理やモニター業務を効率良く簡素に行うことができる。

 − 一方、注目が高まっている医薬品安全性情報管理システム「Oracle Argus Safety Suite」では、日本固有の医薬品や医療機器の安全性にかかわる要件に対応し、グローバルとローカルの統合化されたニーズを満たした。最新バージョン7.0では、社内の安全性データベースをグローバルベースで一元管理できる。


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