2012年夏CCS特集:アクセルリス

SILM領域統合化に照準、M&A戦略さらに推進

 2012.06.27−アクセルリスは、企業の研究開発における科学的な革新を支援する“SILM”(サイエンティフィック・イノベーション・ライフサイクル・マネジメント)領域に狙いを定め、積極的なM&A戦略を展開しはじめた。分子モデリングや電子実験ノートなどの既存製品群も好調で、昨年は売り上げを24%伸ばした。足元で、所有する現金も約1億7,000万ドルとさらに増加しており、これからの戦略が注目されている。

 現在の製造業は、研究開発にムダが多く、払われた投資や努力が市場に直結しないという悩みを抱えている。それを解決するのが“SILM”で、多段階にわたる研究開発プロセスに情報をスムーズに還流させる仕組みを提供する。このための「アクセルリス・エンタープライズ・プラットホーム」は、最新のITアーキテクチャーに基づいて構築されているため、自社開発のアプリケーションやサービスだけでなく、外部パートナーの製品も容易に接続することが可能。全体で大きなエコシステムを形成できる。

 SILMソリューションを完全な形で提供しようというのが同社の基本的な戦略であり、それにはM&Aが重要になってくる。この1年では、シンクライアントベースの電子実験ノートを提供するコンチュアソフトウエア、SOPを電子化して自動化するシステムを開発しているベルクエスト、クラウドベースで化合物情報を共有するサービスを実用化しているHEOS−の3社を買収した。

 一方、当初からのコア事業であるモデリング関連でも、生命科学系の「ディスカバリースタジオ」、材料科学系の「マテリアルスタジオ」とも定期的な機能強化が実施されており、ますます有用性が向上してきている。「パイプラインパイロット」もコンポーネントコレクションがさらに充実している。


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