20112年夏CCS特集:化学情報協会

無制限アクセス契約が拡大、物性値での検索が可能

 2012.06.27−化学情報協会は、米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)のオンライン検索サービス「SciFinder」を国内で提供している。ウェブ版がメインになって機能強化が随時行われるようになり、今年の5月に新たにバージョンアップしたばかり。企業向けで増えている年間定額式の無制限アクセス契約を、今年から日本でも大学向けに提供開始するなど、さらに注目が高まりつつある。

 SciFinderは化学物質を扱う研究に不可欠な情報ツールで、最近はコンテンツのさらなる拡充と操作性の改良を重点とした機能強化が実施されてきている。

 今回のバージョンアップでは、新しい検索機能として物性値を利用した検索が可能になった。13種類の実測値と21種類の予想値を組み合わせて物質検索を行うことができる。ドラッグライクな化合物群を物性値で抽出したいといった実戦的な要求に素早くこたえることが可能。

 また、クイックビューと呼ばれる情報閲覧画面が新たに追加され、操作性が大幅に高まった。検索結果の一覧画面から詳細表示に画面切り替えをすることなく、気になる情報をクイックビューという形でポップアップさせることが可能。物質情報や文献情報の詳しい内容が別ウィンドウで開くので、快適に利用できる。

 そのほか、CAS登録番号で作図ツールに構造式を呼び出す機能も搭載された。これにより、構造検索がやりやすくなる。

 協会では、豊富になった機能を広く知ってもらうため、今年はユーザー会を開放し、多数の参加者を募る。CASから製品責任者が来日するほか、国内ユーザーの事例発表も行われる。東京会場(ベルサール神保町)は7月24日、大阪会場(千里ライフサイエンスセンター)が同26日。詳細は協会のホームページで確認されたい。


ニュースファイルのトップに戻る