アフィニティサイエンスが京都コンステラの「CzeekS」を販売

高速・高精度バーチャルスクリーニング、「DRAGON」とのセットで提供

 2012.11.29−アフィニティサイエンスは、京都大学発ベンチャーである京都コンステラ・テクノロジーズが開発したバーチャルスクリーニングプログラム「CzeekS」を販売開始した。予測のための分子記述発生の目的で、アフィニティが代理店を務めている伊タレッタの「DRAGON」を利用しているためで、特別価格でお得なセット販売を展開する。「CzeekS」は京都大学薬学研究科システム創薬科学の奥野恭史教授が開発した独自の相互作用マシンラーニング法(CGVBS、Chemical Genomics-Based Virtual Screening)を採用したもの。今回の契約では、京都コンステラ側も「DRAGON」を販売し、相互に協力して普及を目指すことにしている。

 「CzeekS」では、たん白質と低分子との相互作用を分子記述子(ディスクリプター)をベースに表現しており、そのデータセットをサポートベクターマシン(SVM)で機械学習させることによって予測モデルを構築している。GPCR、キネーゼ、イオンチャンネル、トランスポーター、核内受容体などの標準的なたん白質に対する予測モデルが用意されているほか、サブファミリーにフォーカスしたモデルも利用できる。

 このため、複数の標的たん白質に対するスコアリングにより、化合物の選択性を考慮したスクリーニングが行えるほか、化合物ごとに全たん白質のスコア計算を行うことで、標的たん白質の探索に応用することも可能。

 予測モデル構築のための分子記述子を「DRAGON」で発生させたが、実際に予測を行う際にも対象となる化合物の記述子発生のために「DRAGON」が必要になるため、基本的に「CzeekS」と「DRAGON」とのセットで運用することになるという。「DRAGON」は最大4,885種類の分子記述子を計算する機能を持っており、いくつのプログラムを試した中で最も良い性能を示したとされている。

 価格は、「CzeekS」が年間ライセンス、「DRAGON」は永久ライセンスが基本となりそれぞれ異なるが、「DRAGON」は併用による特別ライセンスが用意され、通常よりも10%割り引きで提供される。

 「CzeekS」はコマンドラインで実行されるプログラムだが、マルチコアを用いた並列計算にも対応しており、非常に高速に動作する。アフィニティでは、これを1次スクリーニングに利用し、その結果をもとにオーストリアのインテ・リガンドのファーマコフォア解析統合パッケージ「LigandScout」を用いて、さらに詳細に相互作用を考察するといった使い方を提案していきたいとしている。

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<関連リンク>:

アフィニティサイエンス(トップページ)
http://www.affinity-science.com/

アフィニティサイエンス(CzeekS製品紹介ページ)
http://www.affinity-science.com/czeeks/index.html

京都コンステラ・テクノロジーズ(トップページ)
http://www.k-ct.jp/


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