アスペンテックジャパンが「AspenONE」をバージョン8に強化

設計時に経済性・エネルギーなど評価、プロセス型製造業の経営効率改善

 2013.03.15−アスペンテックジャパンは、プロセス産業向け統合ソリューションパッケージ「AspenONE」を機能強化し、最新バージョン8として国内でも提供を開始した。機能としては、大きくエンジニアリグ、製造・サプライチェーンに分かれており、全体としてプロセス型製造業の経営を効率化し、収益力を大幅に改善することができる。欧米の導入事例では、企業の利益を5%以上高める力があるという。

 「AspenONE」は多数のプログラムで構成されるスイート製品。トークンライセンスで導入すれば個別のライセンスは不要で、トークンの範囲内ですべての製品を随時使用することができる。

 今回の最新バージョン8の特徴としては、エンジニアリング領域では主力のプロセスシミュレーションソフト「Aspen HYSYS」と「Aspen Plus」が機能強化された。「Aspen HYSYS」はGUIが一新され、「Aspen Plus」と操作性が統一されて使い分けも容易になった。また「Aspen Plus」には昨年2月に買収したソリッドシム社の技術を組み込み、固体モデリング機能を追加している。

 今回は、それに加えてこの両ソフトに共通の新機能“アクティベーション”が搭載されたことが大きなポイントだといえる。これは、入力したプロセスモデルに対して、その資本コストと運用コスト、使用エネルギー、温室効果ガス排出量などをリアルタイムで見える化する機能。モデルを手直しすると、背後で経済性評価やエネルギー解析のシミュレーションが実行され、その結果が直ちにフィードバックされる。

 設計時にコストやエネルギーの評価が可能になるため、専門特化した解析技術者の間の垣根が取り払われ、大幅な設計業務の効率化が期待できるという。実際、設計・建設・操業からなるプラントのライフサイクルにおいて、最も上流に当たる設計を改善することが、コスト効果を最大化させるとしている。

 一方、製造・サプライチェーン領域の新機能としては、高度制御のアダプティブプロセスコントロールが強化され、実際のプラントの状態に合わせながらモデルを調整して常に最適に近い運転を自動的に保つキャリブレーション機能が搭載された。また、新しい「Aspen PIMS Platinum」は、大量のプラントデータを表現力豊かなグラフで可視化することにより、精密なプランニングが可能。生産計画の最適化なども行いやすくなる。

 さらに、サプライチェーンマネジメントに関しては、需要予測のための「Aspen Collaborative Demand Manager」のGUIが一新され、重要な情報へのアクセスやデータの視覚化などの機能が強化された。

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<関連リンク>:

アスペンテックジャパン(トップページ)
http://www.aspentech.co.jp/

米アスペンテック(Aspen ONE V8 製品情報ページ)
http://www.aspentech.com/products/v8-release/


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