オムロンと日本マイクロソフトが生産現場のビッグデータ活用で提携

PLCとSQLサーバーを直結、大量のマシンデータを“カイゼン”に活用

 2013.01.31−オムロンと日本マイクロソフトは30日、生産現場におけるビッグデータ活用で提携したと発表した。プログラマブルロジックコントローラー(PLC)を介して刻々と変化する生産データを高速・精密にデータベース(DB)へと吸い上げ、生産活動を見える化するとともに、柔軟なデータ分析を通して、速やかに改善への道筋をつけることを狙いとしている。協業の第1弾として、オムロンのPLC「Sysmac NJシリーズ」とマイクロソフトのリレーショナルデータベース「SQLサーバー」を直結するための製品を4月下旬から提供開始する。PLCとDBを直結する製品は業界初だという。営業・マーケティングでも協力し、年内に30社への導入を目指す。

 現在、日本のものづくりの現場では、顧客により安心で安全な製品を届けることが重要とされ、一層の生産コスト削減と同時に、製品品質に関するトレーサビリティの実現との両立が求められている。そのため、製造時の品質データをもれなく集めることや、個々の製品品質が確実に管理されていることなどが必要とされてきている。

 今回、両社が協業で目指すのは、生産現場のデータをもれなく収集してビッグデータ化し、これまでわかりづらかった事象を見える化することにより、現場でのものづくりの力、また製造業の経営力を高めること。PLCの高度化で、加工機や計測器、検査装置など各種機械の情報の一元化は達成されつつあるが、それを上位の情報システムに伝送する技術が未整備だったという。

 オムロンが4月下旬に発売する「Sysmac NJシリーズ データベース接続CPUユニット」は生産機械などから生成されるリアルタイムデータ(マシンデータ)を、シリアル番号やタイムスタンプなどと関連づけて、最高20ミリ秒の速度でSQLサーバーに転送することが可能。SQLサーバーは高速・大量にマシンデータを蓄積し、そのビッグデータを処理して、動的データ分析、検査画像データを含めた分析、対話型レポーティング、エクセルを利用した予測・分析などのかたちで、現場や経営層におけるデータ活用が図られるようにする。

 これにより、製造履歴管理(品質トレーサビリティ)や機械の保全業務支援のためのデータ活用が可能。大量のマシンデータを用いた製品品質や生産プロセスの改善を迅速に行うなど、経営価値を高める活動を推進できる。また、世界で広く採用されているマイクロソフトの技術を利用することで、世界のどの工場においても均一の製品品質や生産プロセスを実現しやすくなるという。

 今回の協業を通し、日本マイクロソフトはWindows 8やWindows Phoneなどのタブレットやモバイル、Windows Azureなどのクラウド技術を共同ソリューションに取り込み、生産現場の内と外で情報を活用できる仕組みの提案に力を入れる。オムロン側では、マイクロソフトの組み込みOSであるWindows Embeddedを自社ハードウエアに採用することも検討する予定である。

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<関連リンク>:

オムロン(Sysmac NJシリーズ 製品紹介ページ)
http://www.fa.omron.co.jp/product/special/machine-control/nj5/index.html

日本マクロソフト(SQLサーバー 製品紹介ページ)
http://www.microsoft.com/ja-jp/sqlserver/2012/default.aspx


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