CCS特集2013年夏:クロスアビリティ

GUI製品のマルチ化推進、タブレット版を開発へ

 2013.06.26−クロスアビリティは、海外にも多くのユーザーを持つ計算化学用GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)ソフト「Winmostar」のマルチプラットホーム化を進めるなど、さらなる普及とビジネス拡大に力を入れる。

 これは、パソコン上で分子モデリングを行い、分子軌道法計算を実行し、計算結果を表示・解析するための一連の機能を統合したソフト。外部の計算エンジンとして、GaussianやMOPAC、GAMESSなどを使用できる。とくに、とくにGaussianに対しては直接ジョブ投入が行えるため、利便性の高いGUIとして人気を集めているという。

 最新版はWindows 8 に対応しているほか、マッキントッシュ版も準備中。さらに、今月からはiPadやアンドロイドベースのタブレット端末で使用できる「Winmostarクラウド」のアルファ版を提供開始した。このクラウド版は、JavaスクリプトとHTML5で書き直した新コードで構成されており、おまけ的な製品ではなく、クラウド対応の計算化学システムとして本格的な機能の搭載を狙ったもの。国産ベンダーとして、開発力を持つ強みと、クラウドでの豊富な経験を生かしていく。

 Winmostar本体は、4月にライセンス体系を一部変更し、無償の学生/講師用と有償の一般用に分かれた。モデリング実習を含めた無償の定期講習会も実施しており、これも好評だ。

 同社では、専門的な受託サービスも実施しており、大規模なスーパーコンピューターでシミュレーションするための300万原子の初期構造を作成してほしいなどの依頼を受けた経験もあるという。


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