アクセルリスが医薬品品質リスク管理ソリューションの最新版

安定性評価・使用期限分析機能を強化、QbD実現を支援

 2013.07.02−アクセルリスは、医薬品の製剤開発と品質リスク管理の適正化に役立つ業務ソリューションの最新版「Accerlys Discoverant 4.3」を開発、販売開始した。新しい品質保証システムの考え方として注目されている“QbD”(クオリティ・バイ・デザイン)の実現を支援する機能を持っている。とくに最新版では安定性評価と使用期限分析に関係した機能が大幅に強化された。

 Accerlys Discoverantは、もともと2012年10月に買収したイージス・アナリティカル社の製品で、現在はアクセルリスの製剤・製造分野向けソリューションである「Accerlys Process Management and Compliance Suite」(PMCスイート)に組み込まれている。

 通常、医薬品は製造販売承認が行われた段階で、原材料や工程を含めて規定された製法通りにつくらなければならず、品質向上などの改善を図る取り組みを行うこと自体が難しかったという。これに対し、米食品医薬品局(FDA)が2000年代に入ってQbD的アプローチ(医薬品の品質管理に製造科学とリスク評価の考え方を導入すること)を提唱。日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)でも“ICH Q8/Q9/Q10”(いわゆるICH Qトリオ)として最終合意に達している。

 このICH Qトリオの適用を支援するのがDiscoverantの主要な役割の一つ。QbDを実現するためには、製法や環境要因、工程要因、原材料、品質特性などのファクターに基づき、品質に及ぼす影響をリスクアセスメント手法を用いて科学的に解析し、製品の品質を適切な範囲(デザインスペース)でコントロールすることが必要になる。さらに、PAT(プロセス解析工学)/RTRT(リアルタイムリリース試験)などを用いて製造の途中段階で品質評価を行い、個々の工程で生産条件を調整して品質をつくり込んでいく。

 このためのもとになるデータは、製剤開発部門や製造部門に分散した既存システム、つまりERP(エンタープライズリソースプランニング)やMES(製造実行システム)、LIMS(研究所統合情報システム)、CAPA(是正措置および予防措置システム)、ELN(電子実験ノート)、製造履歴データを記録したDWH(データウェアハウス)などの中に存在している。

 Discoverantは、これらのデータ構造や項目名が異なっているデータベースの中から、QbD評価解析に必要なデータを自在に取り出す「ダイナミックマッピングエンジン」を搭載。エンドユーザー自身がデータソースを参照しながら仮想テーブル上に必要なデータを集約し、解析を行うことができる。

 とくに今回のバージョン4.3では、医薬品の安定性評価と使用期限分析の機能が強化された。新しいアラート機能は、安定性試験を実施すると、現在のデータと過去の試験結果を比較して、品質数値が低下傾向にある場合に自動的にアラートを発する。また、安定性試験の結果をモニタリングして、信頼限界や予測限界の点で想定外の項目があった場合にアラートを発することができる。いずれの場合も、早期のチェックにより、問題に対処する時間短縮が図られるという。

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<関連リンク>:

アクセルリス(日本法人トップページ)
http://accelrys.co.jp/

アクセルリス(日本法人 PMCスイート紹介ページ)
http://accelrys.co.jp/products/process-management-and-compliance/index.html

米アクセルリス(Discoverant 製品紹介ページ)
http://accelrys.com/products/process-management-and-compliance/accelrys-discoverant/index.html


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