ヒューリンクスが独デコドンの「Delta2D」の販売権を取得

ゲル画像の画像解析から統計処理まで一貫、高信頼性スポットマッチング

 2013.07.03−ヒューリンクスは、独デコドン(本社・グライフスヴァルド、マークス・コルベ社長)と販売代理店契約を締結し、二次元ゲル電気泳動画像解析・統計処理ソフト「Delta2D」の販売を7月1日から開始した。1本のソフトで画像解析から統計処理まで一貫して行えるため、高機能で使いやすいことが特徴。デコドン社はこの分野の専門ベンダーとして10年以上の実績があり、電気泳動装置の付属ソフトに飽き足らないユーザーを中心に、欧米では多くの導入例がある。解析する画像の枚数で料金が決まるというユニークなライセンスも用意されており、反響が期待される。

 Delta2Dは、たん白質の二次元ゲル電気泳動装置から得られた画像データを補正・解析し、統計的に処理するソフト。画面左側にガイドとなるワークフローが示されており、その指示通りに進めることで、初心者にも使いやすい工夫がされている。

 肝心の画像解析機能としては、ゲル画像のスポット位置を補正するワーピング技術を初めて製品に取り入れたベンダーとして知られており、独自の“SmartVectors”技術によって、信頼性の高いスポットマッチングを自動的に行うことができる。手動によるクロスチェックも可能で、複数の画像を1枚に融合し、完全なプロテオームマップを作成することが可能。

 さらに、マッチング済みのゲル画像に対する統計処理によって、さまざまな情報を引き出すことができる。解析手法としては、類似性によって発現プロファイルとゲル画像をグループ化する階層クラスタリング、データ構造を特定する主成分分析、指定された発現パターンに従うたん白質を見つけるテンプレートマッチング、スポットの量の判断基準となるノンパラメトリック検定、大きく変化したスポットを探すスチューデントt検定や分散分析などに対応している。

 また、さまざまに可視化したデータや画像をエクセルやパワーポイントなどにエクスポートすることも可能。論文発表やプレゼンテーションの際にも役立つ。

 価格は、通常パッケージが307万円(教育用210万円)、フローティングライセンスは428万円(同295万円)。とくにユニークなのはコンシューマブルライセンスと呼ばれるもので、ゲル画像を5枚解析するライセンスが6万円、10枚解析するライセンスが11万円で提供される。ユーザーアカウントと解析した画像の枚数をネットワーク経由で管理する仕組みで、取り込んだ画像のハッシュ値で画像データの同一性をチェックするため、同じ画像は何度解析してもかまわない。使いたいときに、その時点の最新のDelta2Dをダウンロードしてインストールするかたちになる。複数のPCにインストールすることも可能だ。

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<関連リンク>:

ヒューリンクス(トップページ)
http://www.hulinks.co.jp/

ヒューリンクス(Delta2D 製品紹介ページ)
http://www.hulinks.co.jp/software/delta2d/

独デコドン(トップページ)
http://www.decodon.com/


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