Hadoopディストリビューションの米マップアールが日本法人設立

エンタープライズ仕様を実現、高性能で優れた信頼性・運用性

 2013.09.20−米マップアール・テクノロジーズ(本社・カリフォルニア州、ジョン・シュレーダーCEO)は19日、日本法人を設立し、本格的に国内で営業を開始したと発表した。同社は、大規模データを効率的に分散処理・管理するためのオープンソースソフトウエア「Hadoop」の商用ディストリビューターで、エンタープライズ仕様のHadoopプラットホーム製品を提供する。国内では、新日鉄住金ソリューションズとノーチラス・テクノロジーズをSIパートナーとして、ビッグデータを活用した業務ソリューションを手がけていく。

 同社は2009年設立で、2年前に最初の製品を発売し、すでに1,000社以上への導入実績を築いている。社員数は現在200人だが、この1年ほどで倍増させ、海外拠点を次々に開設してきた。日本法人の設立は正式には今年の4月で、所在地は東京都千代田区丸の内1-8-3、丸の内トラストタワー本館20階、電話03-5288-5370。現在、常駐スタッフは2人だが、半年後には10人ほどの体制を予定しているという。

 同社の製品は、オープンソースのHadoopをベースに、パフォーマンスを改善し、高可用性や信頼性・運用性・管理性など、企業向けで重視される機能を拡張したもの。具体的には、独自のファイルシステムを採用していることが特徴で、オープンソース版のJavaで書かれた“HDFS”を再設計し、C/C++で書き直した“MapR FS”を実装したことが大きい。これにより、ロックの排除による並列処理の最適化、ビルトイン圧縮によるI/O削減、分散NameNode、RPC経由のシャッフル転送、Javaガベージコレクションの影響の排除など、エンタープライズ仕様のHadoopに必要とされる要素を満たしている。

 とくにパフォーマンスに優れており、テラソートベンチマークで世界記録を打ち立てている。オープンソース版の数分の1のリソースで、それを上回るパフォーマンスを記録したという。また、オープンソースのノンSQLデータベースである「Hbase」を利用したアプリケーションを4〜10倍速く動作させることも可能としている。

 実際の製品は「MapR M5エディション」と呼ばれ、ライセンスはサブスクリプション方式で、ノード当たり40万円から。Hbaseと統合した「MapR M7エディション」は今年の4月に発売した新製品で同70万円からとなっている。また、機能を簡略化した無償の「MapR M3フリー」もある。

 Hadoopは、特別なハードウエアを必要とせず、安価なハードの分散処理で、数百テラからペタバイトオーダーのビッグデータを蓄積・処理・分析できるプラットホームとして注目されている。ただ、ビッグデータとはいわないまでも、会計系・決済系・集計系など企業の業務アプリケーションで扱うデータ量が増大し、ボトルネックが生じている事実があるため、通常の業務処理にも分散処理を導入して効率化を図るニーズが、今後拡大するとみられるとのことである。

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<関連リンク>:

マップアール・テクノロジーズ(トップページ)
http://www.mapr.com/jp/

マップアール・テクノロジーズ(製品情報ページ)
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