CCS特集2013年冬:アフィニティサイエンス

分子記述子計算などで反響、新たなソフト発掘にも力

 2013.12.05−アフィニティサイエンスは、生命科学系から材料科学系まで内外のユニークなCCS製品を取り扱っている。既存製品群は安定した実績を重ねてきているため、来年に向けては新しいソフトを海外から発掘し、国内市場に紹介することに力を入れていく。

 生命科学分野は、オーストリアのインテ・リガンド社のファーマコフォア研究用統合プラットホーム「Ligand Scout」の評価が高い。2,000以上の3次元データを収めた「ファーマコフォアDB」、フラグメント構造からドラッグライクな化合物ライブラリーを発生させる「ilib diverse」など周辺ソフトも揃っており、今後は合成研究者向けの機能を強化していく方針である。

 また、伊タレッタの分子記述子計算ソフト「DRAGON」は、京都コンステラ・テクノロジーズとの協業を通して多くの製薬企業で評価が行われ、この分野の標準的なツールとして認められつつあるという。京都コンステラの高速インシリコスクリーニングソフト「CzeekS」を利用する際、分子の記述子計算にDRAGONが必要となるため、今秋に共同でキャンペーンを展開し、両ソフトを合わせた1カ月間の評価用ライセンスを無償で提供してきた。反響が大きかったため、今後に期待が膨らんでいるという。

 一方、材料科学向けでは、ウィーン工科大学が開発した固体の電子構造計算ソフト「WIEN2k」が7月にバージョンアップした。高精度・高効率のバンド構造計算が可能だが、今回の最新版ではNMRケミカルシフトの計算モジュールが新たに搭載された。また、スペインのナノテック社の大規模密度汎関数法ソフト「SIESTA」はアカデミック用途はフリーだが、民間企業からの引き合いも順調である。

 さらに、生命科学・材料科学の両分野で受託計算のニーズが高まっており、大学との共同研究のかたちでの学会発表などの実績もあがってきている。


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