CCS特集2013年冬:富士通九州システムズ

薬物同士の阻害などを予測、解析用でPMDAが導入

 2013.12.05−富士通九州システムズ(FJQS)は、CCS関連事業を再編し、電子カルテシステム、医薬品・医療材料などの病院物流管理システム、病院向け文書管理システムなど、医療機関を対象にしたソリューション部隊と統合。創薬から医療へとつながるシステム連携で事業をさらに発展させる方針を打ち出した。来年に向けて新たな戦略が注目される。

 同社は、富士通や菱化システムが取り扱うCCS製品群の販売も行っているが、海外に子会社「FQSポーランド」を持ち、独自のCCSパッケージを開発し、グローバルに事業展開していることが特徴。

 現在、最も力を入れているのが薬物併用時の相互作用を予測する「DDIシミュレーター」。元東京大学・杉山雄一教授の監修を受けて開発されたソフトで、米国の関連学会にも出展し、米食品医薬品局(FDA)にも売り込みをかけているが、このほど国内で医薬品医療機器総合機構(PMDA)に導入が決まったことも大きなトピックス。

 PMDAは新薬申請時に提出された臨床試験データを集めてデータベース化し、それを有効活用するための解析環境を構築しようとしており、そのツールとしてDDIシミュレーターが採用された。

 FJQSでは、これに合わせてバージョンアップを実施。予測のもとになる薬物データベースを拡充し、FDAドラフトガイダンスに記載されている薬物の半分以上をカバーした。とくに阻害効果が緩やかなものを中心に追加したほか、データの精度をさらに高めて予測性能を向上させている。今後は、誘導モデルを搭載し、FDAドラフトガイダンスに記載されている誘導薬物による薬物相互作用を評価できるようにする計画である。

 それに加え、薬物動態を予測する「ADMEWORKSシリーズ」を含めた自社製品群の評価をさらに高めるため、大学やユーザー企業との共同研究などを通した論文発表にも力を入れていく考えだ。


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