富士通九州システムズが薬物相互作用予測ソフトを機能強化

厚労省の新ガイドラインに対応、誘導モデルなど追加

 2014.08.27−富士通九州システムズ(FJQS)は、医薬品開発過程で他の薬物との併用時ににおける薬効・副作用発現への影響を予測できる「DDI Simulator」(DDIシミュレーター)の最新バージョン2.4を9月1日から発売すると発表した。とくに、今年7月に厚生労働省医薬食品局が公開した「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」に対応させ、代謝酵素の誘導による相互作用の予測(誘導モデル)機能を追加したことが大きな機能強化のポイント。価格は年間利用料金で250万円から。

 「DDI Simulator」は、複数の薬物の相互作用を体内動態パラメーターの情報に基づいて予測するソフトで、生理学的モデルを用いたシミュレーションにより、基質薬物の挙動を定量的に調べることが可能。

 今回の最新版で追加された代謝酵素の誘導による相互作用の予測は、生理学的モデルに基づいて体内における被相互作用薬、阻害薬/誘導薬の濃度推移を予測するもの。「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」に必要な要件になっているという。

 また、被相互作用薬の代謝経路における各代謝酵素の寄与率を考慮し、小腸と肝臓における薬物相互作用を組み込むことでAUCレシオを予測する静的薬物速度論(MSPK)モデルが新たに利用可能。さらに、阻害・誘導薬の可能性を検討するためのカットオフ基準による評価(Basicモデル)も使用できる。これは、false negative な予測を避けるための計算方法で、代謝酵素阻害(競合阻害、MBI)、代謝酵素誘導を引き起こす可能性を検討することが可能。

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<関連リンク>:

富士通九州システムズ(DDI Simulator 製品情報ページ)
http://jp.fujitsu.com/group/kyushu/services/lifescience/ddi-simulator/index.html


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