インフォコムが米マルチケースの毒性予測ソフト拡販へ

ICH M7ガイドラインで注目、FDAで高い実績

 2014.07.12−インフォコムは、薬物の代謝や毒性を予測する米マルチケース社のパッケージソフトの拡販に乗り出す。ICH(日米欧医薬品規制調和国際会議)のM7ガイドラインで、医薬品に含まれる変異原性不純物への対応について、ソフトウエアを用いた評価が認められる動きに対応したもの。マルチケース製品は米食品医薬品局(FDA)の協力のもとに開発が進められており、米国ではすでに実績が豊富なことから、この機をとらえて国内の製薬企業への営業を強化することにした。

 インフォコムは2009年から米マルチケースの国内代理店となっていたが、今年4月にあらためて独占契約を結び、事業体制を本格化させた。QSAR(構造活性相関)手法に基づいて、統計解析によって予測モデルを組み立てている。非公開データを含むFDAが持つ毒性情報を利用しており、150種類以上のモジュールとして予測モデルを提供している。急性毒性や遺伝毒性、がん原性、肝毒性、腎毒性、神経毒性、催奇形性、刺激性などさまざまな予測が可能。

 ICH M7ガイドラインは昨年にパブリックコメントの集約も終わっている。正式には「潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中 DNA 反応性(変異原性)不純物の評価及び管理」ガイドライン(案)と呼ばれているが、その評価を知識ベースの予測ソフトと統計ベースの予測ソフトの両方で行った結果、ともに陰性であれば実際の試験が免除されるというもの。新薬開発の時間短縮やコスト削減に効果があるほか、世界的に動物実験を減らしていこうという流れにも合致している。

 マルチケース製品は、統計ベースの予測ソフトの範ちゅうに入る。具体的な製品としては、あらかじめ用意された予測モジュールを用いて毒性予測を行う「CASE UltraT」(旧CASETOX)と、社内データなどを使って独自にモデル開発ができる「CASE Ultra」(旧MC4PC)の2種類がある。今年の春にバージョンアップされ、モデルのベースになるデータセットの追加が行われるなど、さらに予測精度が向上した。また、判定できる化合物の種類が広がっており、seven major strains modelsでカバー率が89.5%から94.0%へ、A-T site mutation modelsで同じく84.1%から87.6%へと向上している。




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<関連リンク>:

インフォコム(ライフサイエンス領域研究支援ITソリューションのページ)
http://infocom-science.jp/

インフォコム(マルチケース製品情報ページ)
http://infocom-science.jp/product/detail/multicasesoftwareandmodules.html


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