2015年夏CCS特集:パーキンエルマー

データ解析領域を拡張、ELNも着々と新機能追加

 2015.06.25−パーキンエルマーは、旧ケンブリッジソフトなどの体制を引き継ぐインフォマティクス領域で、電子実験ノートなどのエンタープライズ製品、ChemDrawに代表されるデスクトップ製品、米ティブコとの戦略的提携に基づくデータ解析ソリューション「Spotfire」−の3本柱で事業を推進。新体制へ移行後の3年間で売り上げも倍増しており、日本での事業体制も一段と充実させてきている。

 とくに大きく伸びているのがSpotfire。さまざまな研究データや実験データを自在に解析するツールとして抜群の知名度と実績を誇るが、さまざまな科学実験機器からのデータを簡単に取り込んで解析できる「SciStream」や、オミクス研究に適した機能を用意した「OmicsOffice」など、Spotfireの機能を拡張する製品群を追加したことで、さらに活用範囲が広がっている。

 欧米では、臨床データの解析を通じて、研究とのトランスレーショナルリサーチを展開する事例も増加。今後は国内でも提案活動に力を入れていく考えだ。

 一方、化学合成分野のELNで国内トップシェアの「E-Notebook」もさらに開発に拍車をかけており、今夏にリリース予定の次期バージョン(2014年版リリース5)では製剤部門向けの反応コンディショナルスクリーニング機能が追加される。研究開発の幅広いプロセスを網羅できるように、引き続き拡張を進めていく予定である。

 また、デスクトップ製品も今夏に最新バージョンが国内で発売される。「ChemDrawプライム」「ChemDrawプロフェッショナル」「ChemOfficeプロフェッショナル」の3種類のパッケージが用意される。ChemDrawはこの6月でちょうど生誕30周年を迎え、米国では記念講演会も開催された。長年、化学者に愛されているソフトとして、いまも独特の存在感を放っている。


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