インテルが第5世代 Core vPro プロセッサーファミリーを発表

ワイヤレス化で“仕事術”を革新、会議室もケーブルレスに

 2015.04.03−インテルは2日、第5世代「インテル Core vPro プロセッサー」製品ファミリーを発表した。モバイル使用を想定した企業向けの機能強化に重点が置かれており、先進のワイヤレス機能によってオフィスからケーブルをなくし、職場の環境を一新させることで、ビジネスの革新的なアイデアを生み出すような“仕事術”を実現させるとしている。同社は、今回の技術を採用したPCを実際に社内で活用し、導入効果などを検証していくことにしている。

 第5世代 Core vPro は、ワイヤレスによる技術革新やセキュリティ、向上した性能と改善された管理機能を提供することで、従業員と企業が生産性を高め、ビジネスでの競争力を維持できるようにサポートする。更新期に当たる4年前のPCと比べて、処理速度は2.5倍、バッテリー持続時間は3倍、さらに約50%の薄型軽量化が達成される。タブレットにもノートPCにもなる 2 in 1 、ウルトラブック、超薄型クラムシェル、ミニPCなど、バラエティに富んだクライアントマシンを自由に選択することができる。

 とくに、今回のポイントはワイヤレス技術の進歩。すでにほとんどのPCに無線LANが内蔵されているため、オフィスの通信環境はワイヤレス化されているが、今回の第5世代 Core vPro では、ディスプレイと周辺機器類もワイヤレスに対応することになる。

 具体的には、「インテル Pro ワイヤレス・ディスプレイ」(Pro WiDi)と呼ばれる機能で、会議室やプレゼンテーションルームをケーブル不要の環境へと変えることができる。家庭向けのWiDiはすでに提供されているが、今回のPro WiDi (ワイダイ)は、企業向けに求められる管理性やセキュリティを考慮した高機能版。発表者のPC以外がプロジェクターにつながらないようにしたり、他者のPCを任意にプロジェクターにつないだりすることができ、柔軟で利便性が高い。隣の会議室のプロジェクターに誤ってつなぐことがないようにするプライバシースクリーン機能も備えている。Pro WiDiアダプターをリモートでアップデート/管理できるなど、企業のIT部門にとっても管理しやすくなっている。

 同社によると、現在はケーブルの接続などの会議の準備にムダな5分間が費やされているという。そこで、実際にPro WiDiを導入して実地に効果を確かめることにしている。HP社にも同様の計画があり、そちらはこれで年間5億ドルの削減を見込んでいるということだ。

 また、もう一つの新ワイヤレス技術が「インテル・ワイヤレス・ドッキング」。これは、同社のワイヤレス・ギガビット技術に基づくもので、PCを持ったユーザーがデスクに近づくだけで、自動的にモニター、キーボード、マウス、USB機器が認識・接続され、着席と同時に仕事ができるようになる。このため、デスクに従来のようなドッキングステーションは不要。これまでは、座席が自由なオープンオフィス環境でも、社員が使用するPCの機種に合わせたドッキングステーションを複数準備しなければならないことがネックになるケースが多かったという。

 記者会見した米インテルのコンピューティング・クライアント事業本部副社長兼ビジネスクライアントプラットフォーム事業部長のトム・ガリソン氏によると、「実はもう1本ケーブルが残っている。次は電源ケーブルをワイヤレス化してなくしたい」とした。

 なお、第5世代 Core vPro を採用したPCは、今月以降PCメーカー各社から順次製品化される。

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 また、インテルは同日、ポケットに入れて持ち運べるスティック型コンピューター「インテル Compute Stick」(コンピュートスティック)を4月30日から発売すると発表した。スティック型の本体をTVモニターのHDMI端子につなぐことで、PCとして利用できるようになる。

 内部には、クアッドコアのインテルAtomプロセッサーZ3735Fが搭載されており、PCに必要な演算性能とグラフィック機能を十分に備えている。Windows8.1搭載モデルとLinux搭載モデルの2種類があり、ワイヤレス機能や追加ストレージに活用できるマイクロSDカードスロットが装備されている。

 本体サイズは、103mm×37mm×12mmで、ポケットにすっぽり入る大きさ。旅先や出張先のホテルなどにHDMI対応のテレビがあれば、そこに差し込むだけでウェブやメールの閲覧、書類作成、ストリーミングコンテンツを楽しむなど、普段と変わらないPC体験が可能だ。

 「コンピュートスティック」は4月30日から国内の主要家電量販店、代理店、主要PCショップで販売される。価格はオープンプライスだが、販売を行うアイ・オー・データ機器によると、本体の予想売価は2万500円。周辺機器とのセット販売も行う予定で、液晶ディスプレイ/無線キーボード・マウスセットが4万8,500円、液晶ディスプレイとのセットが4万5,000円、有線キーボード・マウス/USBハブセットが2万4,000円、無線キーボード・マウスセットが2万3,000円、タッチパッド付きキーボードセットが2万3,000円などとなっている(いずれもコンピュートスティック本体込み)。

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<関連リンク>:

インテル(第5世代 Core vPro プロセッサーファミリー製品紹介ページ)
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/processors/vpro/core-processors-with-vpro-technology.html

インテル(コンピュートスティック製品紹介ページ)
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/compute-stick/intel-compute-stick.html

アイ・オー・データ機器(コンピュートスティック特集ページ)
http://www.iodata.jp/product/fun/pickup/stickpc/index.htm


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