CTCが米Rescaleのクラウド型HPCサービスを提供

1,400ペタFLOPS以上のトータル能力、SaaSで各種アプリも完備

 2015.09.12−伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は11日、米リスケール(Rescale、本社・カリフォルニア州)と販売代理店契約を締結し、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)環境をクラウドで提供するサービスを開始すると発表した。利用するための環境の設計から構築、運用・サポートまで、さらにはユーザー社内のHPC環境との連携利用を含め、トータルであらゆるニーズに対応していく。大規模なシミュレーションを活用する自動車や精密機械を中心とした製造業を中心に、建設業、製薬業などの企業に向けてサービス展開する計画。3年間で100社への提供を目指す。

 Rescaleは、800万台のサーバーを擁するクラウド型の解析シミュレーションサービス。計算規模や計算時間に応じた従量課金制により、サーバーやストレージなどのハードウエアに加え、構造解析・流体解析・量子化学計算などの100以上のアプリケーションソフトウエアをSaaS方式で使用することができる。ライセンスはアプリケーションによって異なるが、手持ちのライセンスを生かした“BYOL”(ブリング・ユア・オウン・ライセンス)式で利用できるものや、従量課金が設定されているアプリケーションもある。オープンソース型のアプリケーションも豊富にそろっている。

 実際のデータセンターは、日本、アジア、米国、欧州など世界30ヵ所に分散しており、地域を限定した利用も可能。日本国内だけでも、3ヵ所にデータセンターを構えている。サーバーも多様な環境を用意しており、全体では1,400ペタFLOPS以上の計算能力があるという。計算を加速するGPUや、高速ネットワークの基盤となるインフィニバンドを利用することができるなど、HPC用途に適した仕様となっている。

 直感的な操作画面や既存システムと連携するためのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)、シミュレーションに特化したワークフロー機能などにより、ユーザー企業はHPC環境の構築・運用にかかる費用と時間を大幅に削減することが可能。既存の顧客の中には、解析時間を2〜4割に短縮した事例もあるという。

 CTCは、工学・解析分野のソリューションを長く手がけてきた実績があり、海外のソフトの販売・サポートだけでなく、解析支援の経験も豊富。そうしたノウハウを総動員して、今回のクラウド型トータルHPCサービスを展開していく。

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<関連リンク>:

伊藤忠テクノソリューションズ(トップページ)
http://www.ctc-g.co.jp/

米Rescale(トップページ)
http://www.rescale.com/

米Rescale(提供可能ソフトウエアのリスト)
http://www.rescale.com/software/


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