CCS特集2016冬:ノーザンサイエンスコンサルティング

シムプラス製品群拡充へ、生物画像管理の自社製品も

 2016.12.06−ノーザンサイエンスコンサルティング(NSC)は、バイオサイエンスを中心とした研究開発を支援するシステムソリューションを提供するベンダーで、海外製のソフトから自社開発パッケージまで、ユニークな視点で高い評価を得ている。

 同社の主力製品は、米シミュレーションズプラスの統合薬物動態解析ソフト「GastroPlus」。経口投与製剤(眼投与、肺投与にも対応)の消化管内の吸収、薬物の血中移行を解析・予測し、製剤設計や臨床試験を支援する機能を持っている。開発元が米食品医薬品局(FDA)と共同プロジェクトを推進する関係であるため、この分野では標準的なソフトの地位を築いている。国内でも、大手製薬会社はもとより、ジェネリック関係にも裾野が拡大。最近では化粧品や食品などの非製薬業にも導入が広がってきているという。

 シミュレーションズプラスには、ほかにも物性予測の「ADMET Predictor」、溶出試験をシミュレーションする「DDDPlus」、膜透過性試験データをもとに解析する「MembranePlus」、ドラッグディスカバリー統合プラットホーム「MedChem Studio」など多くのソフトが揃っているため、さらに提案活動を強化したい考えだ。

 とくに、今年9月にリリースされたばかりの「PKPlus」は、新薬申請用のPK(ファーマコキネティック)データ解析とレポーティングのための専用ソフト。臨床開発業務を行うCRO(医薬品開発受託機関)や、PKパラメーターの解析を行う大学・病院の利用者にも使いやすいように配慮されているという。来年に向けて、この新製品の販売に重点を置く。

 一方、自社開発パッケージは、ユーザーからの身近な相談をアイデアに開発したものが中心。今後、積極的に広げていく計画で、このほど第2弾としてバイオイメージングデータ管理システム「BioSpect」を新開発した。これは、共焦点レーザー顕微鏡や二光子顕微鏡、蛍光顕微鏡などから得られるイメージングデータをデータベース化し、関連データとともに管理できるデータベースシステムで、ウェブ方式のネットワーク利用により、これらの大量データの保管・検索・共有を実現できる。

 これまで、これらの画像や動画は専用のソフトを用いて中身を確認する必要があったが、BioSpectはさまざまなファイルの中身をフラッシュでサムネール表示できる。非効率な手間がなくなるため、ユーザーからは喜ばれているということだ。


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