CCS特集2017年冬:アークスパン

電子ノート機能さらに強化、24時間サポートも実現

 2017.12.05−アークスパンは、クラウドベースの次世代創薬研究支援システム「ArxLab」(アークスラボ)で急成長中のベンダーである。ワールドワイドで、今年スタッフを40%増員しており、日本で技術サポート体制を整備したことにより、24時間365日体制で問い合わせに対応できるようになった。今後さらに、品質管理やプロジェクトマネジメント体制も強化していく。

 ArxLabは、ケムアクソン社のケミストリーエンジンを核に開発されたクラウドソリューションで、電子実験ノート、化学・生物情報の登録、アッセイデータ管理、インベントリー管理といったインフォマティクスアプリケーションと、データ解析ツールが揃っている。

 すでに70社近い顧客を持つが、8割以上が北米の企業。ただ、CRO(医薬品開発受託機関)などの外部機関と連携するための基盤に採用されることも多いため、実際のシステム利用者は中国や日本を含めたアジアが45%を占めているということだ。カテゴリー的には、バイオテクノロジー企業での導入が今年は倍増のペース。また、まだ数は少ないが、化学・食品分野も倍増の勢いで実績を伸ばしている。

 機能面では、電子ノートもインベントリーもGLP(医薬品安全性試験実施基準)に準拠するなど法規制に対応した業務での運用が可能。とくに電子ノートは、オンプレミスなど他社レジストリーシステムとも柔軟に接続でき、機能強化も相次いでいる。例えば今年、新しいアドオンとしてワークフロー機能が搭載された。これは、電子ノートから他部署に対して合成依頼や試験依頼などのリクエストを発して、その進捗などをトラッキングする機能。外部機関とのコラボレーションも容易になるが、来年にはさらに機能を強化していく予定だという。

 また、電子ノートの検索機能も向上しており、ページの全文検索のほか、文字列入力を補完するオートコンプリート機能も追加された。ノートやページのロード時間・セーブ時間も大幅に高速化されており、快適に動作する。完成したノートをPDF出力する際の安定性やパフォーマンスも改善。プラグインをサポートしないウェブブラウザーに対応し、構造式のスケッチツールとして Marvin-JS に対応させている。

 来年の予定としては、ユーザーインターフェースをモダナイズするほか、企業ユーザーのための管理機能を強化し、1画面ですべてのアプリケーションを設定できるようにする。


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