2021年冬CCS特集:パトコア

3本柱のDX支援で実績、サターラ製品の販売権取得

 2021.12.01−機動的なITソリューションを得意とするCAB'S(カブクス)グループのパトコアは、化学関連のデジタルトランスフォーメーション(DX)の波に乗って業績を拡大。ケムインフォマティクスを中心にした創薬DX、化学特許作成支援などの知財DX、法規制や安全性などの化学物質管理DX−を3本柱に、専門的なシステムとサービスを提供している。

 同社は、ハンガリーのケムアクソン製品を基盤に、販売パートナーとしての富士通との連携を踏まえたビジネス展開を行っており、最近ではとくに創薬DXのためのコラボレーションプラットフォーム「DesignHub」の提案を強化中。創薬プロジェクトを推進する上で必要なデータやツールをチームメンバーで共有しながら、仮説をまとめ、分子を設計し、それを解析・評価し、ディスカッションを行い、全体の進捗を管理する機能がクラウド上で統合されている。今回、構造エディターが拡張され、パワーポイントのような自由なドローイングが可能になり、さまざまなデザインやコンセプトをストレスなく描画することができる。

 また、新たにサターラと提携し、創薬向けの科学データインフォマティクスハブ「D360」の販売も開始した。マルチベンダーで散在している化学データ、生物学データ、ロジスティクスデータ、計算科学データなどを統合し、プロジェクトごとに最適なフォームで検索・参照し、視覚化して解析することが可能。一度設定すれば、現場の研究者のセルフサービスでデータ活用が推進できる強みがある。中堅・ベンチャー企業でも導入しやすい簡易版の「D360エクスプレス」に用意されている。ケムアクソン自体もサターラとパートナー契約を結んでおり、製品同士の連携もさらにスムーズに行われるようになると期待される。

 一方、特許DXでは、ケムアクソンの「マーカッシュエディター」が戦略商品。特許明細書の請求項(クレーム)に記載したい化合物情報を自動的にまとめてくれるソフトで、化合物のリスト(構造式)からマーカッシュ構造を自動的に生成し、クレーム文書に仕上げることができる。化学物質管理DX、国内法規制対応の試薬カタログデータベース「SMARTS」や、法規制物質判定ソフト「CRAISチェッカー」などを開発・販売しているが、これらの受注も好調だという。


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