CTCがMI支援サービス「MI Success Lab」

分析代行からスキルトランスファーまで、“MIの内製化”サポート

 2022.09.16−伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は6日、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)のための支援サービス「MI Success Lab」を提供開始すると発表した。顧客の持つデータをもとに、独自の人工知能(AI)技術を駆使して、新規材料開発に向けた目標性能の達成を実現するとともに、機械学習を行うためのスキルを顧客にトランスファーし、以後は自社でMIに取り組んでいけるように助ける。標準で3ヵ月ほどの期間で実施するプロジェクトとなり、費用は900万円から。3年間で30社の導入を目指すという。

 今回のサービスは、データ分析やAI環境の構築、AI活用のコンサルティングなどを提供してきた実績、また材料関係で長年にわたり蓄積してきたノウハウをもとに製品化したもの。内容としては大きくフェーズ1とフェーズ2に分かれている。まず、フェーズ1ではMI分析を代行。顧客から提出されたデータに対し、一般的な逆解析や高度なベイズ最適化などを利用し、単目的あるいは多目的の最適化を行う。顧客固有の課題に合わせたカスタマイズ分析も可能。次に、フェーズ2では、MI分析の一連のプロセスやノウハウ、作成した分析プログラムの使用方法などのスキルをトランスファーし、顧客が“MIの内製化”をできるように助ける。

 建材メーカーに対して先行して適用した事例では、数十種類の原料の配合比率と温度・圧力などのプロセス条件を説明変数とし、各種性能やコストなどの目的変数と関連付けて機械学習を実施。要求性能(目標値)をすべて達成しつつ材料コストを20%削減できる実験条件を求めた。プロジェクトでは、顧客側にMI分析担当者と実験担当者を割り当ててもらい、トランスファー後のMI担当者はMI分析のプロセスやプログラミングについての理解を深め、自分でプログラムを回したり改修を行ったりした上で、実験候補をアウトプットできるようになったという。また、実験担当者はプロジェクト前はMIの知見を持たなかったが、トランスファー後にはMI分析の一連の流れを理解し、MI分析担当者と協力して目標達成に向けた実験計画を立案できるようになったとしている。

 CTCでは今後、材料データベースのプラットフォームや研究ポータルなどのソリューションも提供し、トータルなMI環境をサポートしていく計画も立てている。

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<関連リンク>:

伊藤忠テクノソリューションズ(AIへの取り組みのページ)
https://www.ctc-g.co.jp/solutions/ai/


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