CCS特集2022年冬:アフィニティサイエンス

計算化学コンサルを強化、高スコア構造を選択的発生

 2022.12.01−アフィニティサイエンスは、創薬研究や材料開発を目的とした研究支援ソフトウエアの輸入販売、計算科学に基づく受託研究などを中心に、研究者・開発者向けのサービスを展開している。とくに、コンサルティングをともなう共同研究に力を入れており、インテージヘルスケアや理論創薬研究所と共同で行う「ACISS」のほか、量子化学計算を主体とした実践的コンサルティング「AQCC」を含め、企業や大学と共同での研究プロジェクトを推進している。

 パッケージソフトでは欧州の製品を多く扱っている。とくに最近注目されているのは伊アルバサイエンス製品で、複数プログラムによるスイート化が進んだことで販売実績が上がってきている。最大5,666種の分子記述子計算とフラグメント計算を行う「alvaDesc」、遺伝的アルゴリズムによって de novo 分子設計を行う「alvaBuilder」、分子構造と活性や物性との相関解析(QSAR/QSPR)を実施する「alvaModel」、構築した予測モデルを走らせる「alvaRunner」、分子データセットの可視化・分析を行う「alvaMolecule」から構成されている。

 先月、これらの各プログラムは一斉にバージョンアップされたばかり。とくに、alvaBuilderではQSAR/QSPRモデルを使用し、目的変数に対するターゲット条件に従って分子の de novo 設計を行える新機能が追加された。QSAR等のスコアが高い構造を選択的に発生させられるわけで、これは日本のユーザーからの要望で実装されたものだという。alvaMoleculeも、スキャフォールド(骨格)分析の追加や分子のフィルタリングなど、機能が充実してきているという。アルバサイエンス製品の主力はalvaDescであり、機械学習に利用できる分子記述子を豊富に算出することから、企業ユーザーの関心が高い。

 また、実績が多いオーストリアのインテ・リガンド社の「Ligand 」は、来年には最新バージョンがリリースされる予定。これは、ファーマコフォアベースのインシリコスクリーニング用プラットフォームで、多くの機能を搭載している。最新版では配座の取り扱いなどが強化されるもようだという。

 そのほか、同社ではインターネットを活用した情報発信に力を入れており、公式Twitterアカウント(@AffinityScience)、ソフトの使用方法を解説する公式ブログ記事、YouTube「計算科学チャンネル」などの活動を行っている。


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