長瀬産業がMI研究向けデータマネジメントプラットフォーム

米Uncountableと代理店契約、電子ノートや配合レシピ推奨機能を統合

 2022.10.14−長瀬産業は13日、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)に基づく材料研究を支援するため、電子実験ノート(ELN)機能や配合レシピ推奨機能などを統合したデータマネジメントプラットフォーム「Uncountable」を国内で本格的に販売開始したと発表した。米アンカウンタブル社(本社・カリフォルニア州)が開発したシステムで、販売代理店契約を5月に締結していた。実験データを保存・蓄積して、機械学習などを行い、最適な材料組成や配合比率、プロセス条件などを割り出すことができる。いわゆるフォーミュレーション分野における統合MI環境を実現できるソリューションとして注目される。

 MIで精度の高い機械学習モデルを構築するためには、多くの実験内容や実験結果をデジタルデータとして蓄積する必要がある。このため、電子実験ノートをデータプラットフォームとして導入する動きが目立ってきている。研究開発をデータ駆動型に転換し、チームコラボレーションを加速させるという狙いもあり、今回のようにフォーミュレーション分野を狙ったベンダー間の競争も激化しているのが現状だ。

 今回の「Uncountable」は、電子実験ノート機能を中心に、データ解析・分析機能、機械学習モデルによる配合レシピ推奨機能を合わせ持つデータマネジメントプラットフォームで、蓄積した実験データをもとに実験計画を立案し、新たな実験データを取得した上で解析・分析を加えるという一連のサイクルを実現。さまざまなパラメーターについてユーザー自身がマスター設定(原料、比率、条件等)し、配合レシピが完成すると、そのまま実験指示を実施し、トラッキングも可能。実験データや実験指示書、レポートなどの情報を一元管理できるので、研究者間の情報共有の促進にも役立つ。

 多様なモデルを用いた数学的・統計的なデータ解析に加え、4次元までの視覚的な分析を行うことができ、原料と物性の相関関係をビジュアライズすることが可能。特徴量の抽出を生かした実験計画を立案できるほか、ベイズ最適化によって次に行うべき実験内容を提案することもできる。実験の制約条件や目標物性も柔軟に設定できる。

 長瀬産業では、新材料探索目的とした独自SaaSサービスとして提供中の「TABRASA」を含め、化学・材料研究におけるMIを包括的にサポートしていく。

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<関連リンク>:

長瀬産業(Uncountable製品情報ページ)
https://www.nagase.co.jp/uncountable/

米アンカウンタブル(トップページ)
https://www.uncountable.com/


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