CCS特集2023年冬:ブルカー

分析機器との連携で強み、ラボラトリー自動化を支援

 2023.12.05−ブルカーは、ライフサイエンスおよびバイオ医薬品業界に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するラボラトリー自動化ソフトウエアのソリューションを新ブランド「SciY」のもとで提供している。グローバルではすでに7月から新体制での事業展開がスタートしているが、日本でも分析機器と連携できる電子実験ノートシステムを中心にユーザーの期待に応えたいとしている。

 SciYを構成しているのは、電子ノートを中心とするクラウド型研究情報管理の「Arxspan」、実験データの自動化と人工知能(AI)対応のデータ管理を行う「Mestrelab」、プロセス分析技術(PAT)によりラボと製造のQC(品質管理)プロセスを自動化する「Optimal」、GxP対応クラウドソリューションとしてライフサイエンスデータの分析と長期保存を可能にする「ZONTAL」−からなる4つの製品群。各種分析機器との高度な連携・自動化を実現しており、ブルカー製の機器を含め、ベンダーに依存しないプラットフォームであることが特徴となっている。

 Arxspanはブルカージャパンが直接扱っているほか、MestrelabとOptimalも代理店を通して国内で実績があり、連携を意識した活動を進めている。ZONTALは日本市場には未紹介であり、パートナー探しも進めていく方針。いずれにしても、来年以降は国内でもSciYを総合的に提案できる体制をつくり上げたいとしている。

 とくに、Arxspanについては、米国と欧州に続き、昨年から日本にもデータセンターを設け、サービスを行っている。データセキュリティの観点で有利なほか、システムのパフォーマンスも向上したという。国内では、化学・材料系のユーザーからの引き合いも活発で、柔軟なテンプレート機能に対する評価が高い。化学反応式や構造式を含め、自由に定義し入力した項目を定型データとしてデータベース管理することが可能。反応式は同じでも、いろいろな合成条件を試してみるなど、材料系の実験に適した設定が行える。テンプレート機能は今後も引き続き強化が図られる予定で、配合設計に適した機能も開発中とのことだ。

 一方、同社は、日本最大級のライフサイエンス研究施設として、関連する研究者が集結している湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)のメンバーシップを取得している。当地で開かれるイベントなどに積極的に参加し、先進的なライフサイエンス企業とのコラボレーションを活発化させていく。


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