CCSニュースファイル
   2009年10−12月

  • インフォコムが英ドットマティクスのケムインフォ製品群、データ視覚化など
     2009.10.24−インフォコムは23日、英ドットマティクス社(スティーブ・ギャラハーCEO)が開発した「完全ウェブ対応型データ視覚化ツール」を発売すると発表した。創薬・化学分野の研究者向けにデザインされており、化合物データベースの構築・検索・登録、研究データの視覚化とデータマイニング、研究情報の共有など、ケムインフォマティクス領域の統合ソフトとしての基本的な機能も備えている。ウェブベースで使い易いことに加え、低価格で導入できることも武器になるという。
  • アクセルリスが材料系「MaterialsStudio」の最新版5.0をリリース
     2009.10.31−アクセルリスは、材料設計のための統合モデリングシステム「Materials Studio」の最新バージョン5.0をリリースした。計算エンジンの性能を大幅に向上させたほか、操作性も改善され、研究者のためのインフォームドデシジョン(情報に基づくより良い意思決定)を強力に支援することが可能。触媒やポリマー、特殊化学品、機能材料製品などの研究開発において幅広い問題解決に力を発揮する。
  • インフォコムが米シュレーディンガーのケムインフォ新製品「Canvas」
     2009.11.07−インフォコムは、ケムインフォマティクス領域のソリューションを強化し、米シュレーディンガー社が開発した新製品「Canvas」の提供を本格的に開始した。シュレーディンガー製品群は、ドッキングシミュレーションなどストラクチャーベースドラッグデザイン(SBDD)分野で評価が高いが、今回のCanvasはファーマコフォアモデルの作成と3D-QSARのための「Phase」に続くリガンドベースドラッグデザイン(LBDD)分野の新製品に当たる。化学構造を含む化合物情報を統合的に管理・解析するためのツールが揃っており、分子の特性やフィンガープリント計算、類似性検索、ダイバーシティー解析、多変量解析などが可能。他のプログラムとの連携・組み込みなど、多様な使い方に対応できることも特徴となっている。
  • 加ACD/Labsのファーマアルゴリズム買収で国内代理店が新販売体制
     2009.11.10−NMR(核磁気共鳴)やMass(質量分析)などの分析分野のデータ管理・解析ソリューションで実績豊富なカナダのアドバンスドケミストリーデベロップメント(ACD/Labs)が、化合物の物性予測ソフトを開発している加ファーマアルゴリズムを買収したことにともなう日本国内での販売体制がこのほど固まった。ACD/Labsの代理店である富士通と、ファーマアルゴリズムの代理店であるインフォコムが製品群を分割して扱うことになる。国内の両社はこれを機に協調関係を築いていくことにしている。
  • 菱化システムが統合計算化学システム「MOE」最新版、母核置換など
     2009.12.08−菱化システムは、加ケミカルコンピューティンググループ(CCG)が開発した統合計算化学システム「MOE」の最新バージョンを国内で本格的にリリースした。たん白質の配座を効率的に探索する機能や、たん白質の活性ポケット内での薬物分子構造の設計に役立つ機能など、さまざまな新機能を搭載。また、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)が刷新され使いやすさが向上したほか、最新のグラフィックプロセッサー(GPU)の機能をフル活用し、フォトリアリスティックな分子モデルをリアルタイムに表示できるようになった。
  • 化学情報協会が米国特許に基づく配列データベース「USGENE」を販売
     2009.12.09−化学情報協会は、このほど米シーケンスベース社(マーチン・ゴフマン社長兼CEO)と代理店契約を結び、米国特許に基づくたん白質・核酸の配列情報を収録したデータベース「USGENE」のインハウス版の販売を開始した。1981年以降の米国特許商標庁(USPTO)の公開特許と登録特許の両方をカバーしており、完全にもれのない特許検索が可能。社内に導入して使うインハウス版であるため、機密性保持の面でもメリットがある。
  • CTCLSが三菱化学メディエンスから安全性試験支援システムを受注
     2009.12.22−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、臨床検査事業などを手がける三菱化学メディエンスから医薬品開発のための安全性試験支援システムを受注した。これは英インステムが開発したパッケージソフト「Provantis」を基盤にしたソリューションで、グローバルスタンダードに対応していることが特徴。鹿島事業所と熊本事業所の2ヵ所に導入され、2011年5月からGLP(医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準)対応にて運用が開始される予定となっている。
  • 化学分野で中国特許の発行件数が世界一に、米CASが発表
     2009.12.26−世界最大の科学技術情報データベースサービスを提供する米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)は、化学分野における中国特許の発行件数が、今年世界一になることが確実になったと発表した。中国は、2005年に米国特許商標局(USPTO)、2006年に世界知的所有権機関(WIPO)を抜き、2008年には日本の特許庁を月間ベースで上回っていた。そして、2009年は年間ベースで化学特許の発行件数が世界一となるが、CASではこの傾向はさらに続くと予測している。

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • マインドジェットがマインドマップを利用したビジュアル型コラボサービス
     2009.10.15−マインドジェットは、創造性を刺激しチームの生産性を向上させる新しいビジュアルコラボレーションサービス「Mindjet Catalyst」を国内で提供開始した。“マインドマップ”と呼ばれる図解表現手法をベースに情報の共有化を図ることができ、ウェブ会議システムなどを組み合わせた総合的なコラボレーションツールとなっている。SaaS型のサービスとして提供され、利用料金は年間1ユーザー当たり3万8,850円。月額では3,885円。
  • マイクロソフトがWindows7の一般販売開始、予約だけでVistaの3ヶ月分超
     2009.10.23−マイクロソフトは、Windows7が一般発売となった22日、米国本社の開発責任者であるスティーブン・シノフスキー氏(Windows & Windows Live担当社長)および日本のパソコン市場関係者を広く招いて記念イベントを開催した。Windows7は22日午前0時から秋葉原などで先行発売されたのち、22日午前9時から店頭とオンラインショップでの販売をスタート。Windows7を搭載したパソコン新モデルも15社から用意された。日本法人の樋口泰行社長とシノフスキー氏は深夜販売の盛り上がりを「大成功」とし、「年末商戦に向けた業界の起爆剤としてがんばりたい」と今後にも自信を示した。
  • 米エヌビディア:デイビッド・カーク博士インタビュー、GPUコンピューティング
     2009.12.22−米エヌビディアのフェローでチーフサイエンティストのデイビッド・B・カーク博士(David B. Kirk)が、12月17日〜19日までパシフィコ横浜で開かれたコンピューターグラフィックス(CG)国際会議&展示会「SIGGRAPH Asia 2009」の基調講演のために来日、合わせて記者会見を開いた。講演の主題は「ヘテロジーニアスコンピューティングの効果」で、GPU(グラフィックプロセッサー)の最新技術によって、シミュレーションとビジュアライゼーションの境目がなくなり、さらに臨場感のあるCGがゲームや映画をはじめとするさまざまな世界でますます活躍すると論じた。ここでは、GPUコンピューティングに関するコメントをまとめた。

 


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