CCSニュースファイル
   2018年4−6月

  • パトコアがELNを活用した特許実権項作成支援システムを開発
      2018.04.14−パトコアは、電子実験ノートブック(ELN)から情報を引き出すことにより化学物質に関する特許明細書作成を効率化するシステムを開発、「QuickPat」の名称で販売開始した。膨大な実験データを洗い出す必要があるため、時間と手間のかかる実験項作成作業を3分の1以下に短縮することが可能だという。同社では、各種のELNや社内データベースと接続するためのインテグレーションサービスを含めて提供していく。
  • ダッソー・システムズが2018年度事業戦略、バイオビアは7月に統合
      2018.04.18−ダッソー・システムズは13日、記者説明会を開催し、山賀裕二社長以下の各事業責任者が今年の国内事業戦略について会見した。山賀社長は、「自動車や航空機のCADの会社だというイメージがまだ強いが、設計から検証、製造までをカバーするプラットホーム化が進展。ものづくりの本質を変えるシミュレーションを含め、産業界のデジタルトランスフォーメーションの火付け役になりたいと考えている」とし、これまでのようにCADなどのポイントソリューションによる効率化・省人化を提案するのではなく、顧客のビジネスそのものを深く議論できるような営業体制に変革していくと述べた。日本法人の経営目標について数字に触れることはしなかったが、2016年度で約400億円の売り上げ規模(単独)であり、今後も毎年二ケタ成長を続けていくとした。
  • 富士通九州システムズが「ADMEデータベース」バージョン50をリリース
      2018.04.21−富士通九州システムズ(FJQS)は、4月から薬物動態情報データベース「ADMEデータベース」のコンテンツを更新し、バージョン50として提供を開始した。製薬企業における新薬開発や大学教育の分野で使われており、クロアチアのレンディック博士が文献から収集したヒトの薬物動態関連タンパク質・薬物の情報を網羅している。今回の更新では約260件の文献から約1,500件の非臨床薬物代謝データと、約90件の臨床薬物相互作用データを追加している。
  • NVIDIAがヘルスケア領域で事業拡大、医用画像処理専用スパコン提供
      2018.05.12−NVIDIA(エヌビディア)は9日、ヘルスケア領域における事業の概況と戦略に関する記者説明会を都内で開催した。とくに、医用画像処理や人工知能(AI)/深層学習(ディープラーニング)による診断などで、GPU(グラフィックプロセッサー)を利用した計算ニーズが拡大する傾向にあり、すでに超音波やX線CT(コンピューター断層撮影)、MRI(核磁気共鳴断層撮影)などの装置メーカーとの協業が広く進んできている。同社では、AIによる画像診断により需要がさらに伸びると判断、今年の春に医用画像診断スーパーコンピューター「Project Clara」をアナウンスした。ヘルスケア事業担当のキンバリー・パウエル(Kimberly Powell)副社長は、「日本の医療機関には高度な医用画像装置が導入されている一方、世帯当たりの放射線科医の人数は世界的にも少ないという調査結果がある。Claraの導入で日本のより良い医療に貢献したい」としている。
  • 英ドットマティクス:バーレイ副社長、ブラウン副社長インタビュー
      2018.05.15−英ドットマティクスは、研究開発におけるインフォマティクスソリューションで急成長中の企業で、創薬研究分野だけでなく、化学や石油・ガス、ファインケミカルなどの新規分野でもユーザーが増加してきている。とくに、今年はアジア太平洋地域での高い伸びを見込んでいるという。ユーザーフォーラムのため来日した同地域担当副社長のビル・バーレー氏(Bill Bailey)と、プロダクトマーケティング担当副社長のロバート・ブラウン氏(Robert D Brown)に戦略を聞いた。
  • 富士通が量子コンピューターライクのクラウド計算サービスを商用化
      2018.05.16−富士通は15日、組み合わせ最適化問題を高速に解く独自の次世代アーキテクチャー「デジタルアニーラ」を実際のビジネスで活用できるようにするクラウドサービス「FUJITSU Quantum-inspired Computing Digital Annealer」(デジタルアニーラ クラウドサービス)を提供開始すると発表した。国内を皮切りに、今年度中に北米、欧州、アジアでも順次サービスを提供していく。まずは1,500人のエンジニアを揃え、創薬における分子類似性検索の高速化、金融におけるポートフォリオ最適化、工場。物流における倉庫部品の最適配置など、現在のコンピューターが苦手としてる幅広い問題の解決に当たる。向こう5年間で累計1,000億円の売り上げを目指す。
  • NIMSが材料インフォ研究向け無機材料データベースを有償サービス
      2018.06.22−物質・材料研究機構(NIMS)は、マテリアルズインフォマティクス(材料インフォマティクス=MI)研究に利用できる無機材料データベースとして、「AtomWork Adv.」の有償サービスを5月末から提供開始した。無償で提供している「MatNavi」の「AtomWork」をベースに、スイスのMPDS社(マテリアルフェーズデータシステムズ)との連携によりデータ量を数倍に拡張したもの。研究者が個人でも利用しやすいよう、クレジットカード決済にも対応した。

 

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • 中国のサンダーソフトがAI/IoTで日本市場に積極投資、3年間で200億円
      2018.05.10−中国のサンダーソフト(趙鴻飛=チョウ・コウヒ会長兼CEO)は8日、都内で記者会見し、新たな事業分野として強化する人工知能(AI)を応用したIoT、スマートデバイス、スマートカーなどの分野で、日本市場に対し今後3年間で200億円を投資すると発表した。同社はスマートフォン向けの組み込みソフト開発プラットホームで大きな実績を築いており、限られたリソースで高度なソフトウエアを稼働させるノウハウをAI/IoT分野に生かそうとしている。将来的には、日本に研究開発組織を立ち上げ、日本発の技術を取り入れグローバル展開していく青写真を描いている。
  • 富士通がポスト「京」のCPUモジュールなど初公開、大幅なコンパクト化
      2018.05.16−富士通は、17日と18日の両日、東京国際フォーラムで開催される「富士通フォーラム2018」会場で、開発中の次期スーパーコンピューター「ポスト『京』」のプロセッサーモジュールなどを公開する。「京」に使われたSPARCアーキテクチャーから変更され、ARMv8-Aアーキテクチャーに基づいて富士通が設計・製造したプロセッサーが採用されるが、実物のお披露目は初めてになる。
  • 富士通と理研がポスト「京」の開発状況を正式発表、CPU試作チップ完成
      2018.06.22−富士通と理化学研究所は21日、スーパーコンピューター「京」の後継機として共同開発中のポスト「京」について、中核となるCPUの試作チップが完成し、機能試験を開始したと正式に発表した。24日から28日までドイツで開催されるハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)国際会議・展示会「ISC2018」に出展する。CPUの初期動作を確認したことにより、システム開発における重要なマイルストーンを順調にクリアしたこととなる。今後もプロジェクトは、2021年ころのポスト「京」共用開始に向けて進行していく。
  • 米アスペンテック:ピエトリCEOインタビュー、AI/IoTにフォーカス
      2018.06.26−米アスペンテクノロジー(アスペンテック)は、プロセス産業のデジタルトランスフォーメーションを推進する専門ベンダー。最近はとくにアセットパフォーマンスマネジメント(APM=資産最適化)ソリューションに力を入れており、すでに実績があがりはじめている。同社のアントニオ・ピエトリ(Antonio J. Pietri)社長兼CEOは、「1970年代から段階的に進んできたプラントのオペレーショナルエクセレンスを、ライフサイクル全体に対応させて新たな段階へと発展させるのがAPM。新しいテクノロジーの採用が成長のカギであり、ユーザー企業にとっては、これらにいち早く取り組むことが市場で競争優位性を獲得する重要な要素になる」と話す。とりわけ、今後は人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)をいかに駆使するかがポイントになるとして、この分野の製品ポートフォリオ拡充やエコシステムづくりに力を入れている。

 

 


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