CCSニュースファイル
   2007年10−12月

  • CCS特集2007年秋期


総論
業界動向、勢力図激変

主要ベンダー各社の製品戦略

アクセルリスアドバンスソフトコンフレックスサイバネットシステム富士通九州システムエンジニアリングヒューリンクスインフォコム日本総研ソリューションズ科学技術振興機構物質・材料研究機構菱化システムシミックス・テクノロジーズ・ジャパントムソンサイエンティフィックウェイブファンクションワールドフュージョン(アルファベット順)

 

  • FQSがADMEデータベースサービスの最新バージョン8、実験情報を収録
     2007.10.10−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、新薬開発に利用できるADME(吸収・分布・代謝・排出)データベース(DB)サービスのコンテンツを強化し、10月からバージョン8として提供開始した。2005年10月のサービス開始以来、四半期ごとに機能強化しているもので、今回は薬物動態の実験情報であるキネティックパラメーターの件数表示および主要な実験値の一覧表示機能を追加した。利用料金は年間ライセンスで105万円から。1年間に30件の新規契約を見込む。
  • 東京工業大学が学部教育にコンピューターケミストリー活用
     2007.10.11−国立大学法人東京工業大学は、コンピューターケミストリーシステム(CCS)分野で教育機関向けに実績豊富な分子モデリングソフト「Spartan」(米ウェイブファンクション)を化学教育に活用。大きな成果をあげている。CCSは、イメージのわきにくい量子化学の基本概念を学生たちに頭に入れてもらうためにまさに格好のツールであり、のちのち専門課程に進んだり、企業の研究者として活躍したりするうえでも、CCSを扱えることは基礎として必要不可欠な知識・技能になりつつあるという。全学では約400本のSpartanのライセンスを導入しているが、そのうちの370本は教育専用システムとして活用されている。今回は学部の1年生および2年生を教えている先生方にお話しをうかがった。
  • 米アクセルリスと米アジレントが包括的再販契約、電子実験ノートなど戦列
     2007.10.12−米アクセルリスは、米アジレント・テクノロジーとの間で包括的な再販売契約を締結した。化学データベースエンジン、ワークフローエンジン、電子実験ノートブック、実験データ統合など、ケムインフォマティクス分野のソフトウエアを相互に組み合わせて、医薬・バイオ・化学業界向けの共同ソリューションに仕上げていく。国内でも、日本法人同士が協調していく予定で、年内には共同事業体制を固めたいとしている。
  • シミックス日本法人がIsentris移行促進へスターターキット開発
     2007.10.23−シミックス・テクノロジーズ日本法人(旧ElsevierMDL日本法人)は、統合化学情報管理システム「Isentris」への移行を促進するための新戦略として、新しい機能や使い勝手の良さを手軽に評価できる「スターターキット」を開発し、提供開始した。日本独自の取り組みとして行うもので、評価用として特別なライセンスを低価格で用意したほか、試薬データベース(DB)などのコンテンツ群を3ヵ月間無償で開放する。
  • 日立ソフトが遺伝子検査・解析支援サービス、ビジネス市場向け提供
     2007.10.30−日立ソフトは、遺伝子実験・検査・解析から情報システムの構築、さらに遺伝子情報の管理・運用までを一貫して提供する「遺伝子検査/解析支援サービス」を実用化し、本格的に提供開始した。遺伝子検査を事業の中に組み込むビジネス市場を主な対象としたい考えで、生活習慣病関連の遺伝子検査などの美容・健康アドバイザー、食の安全・安心を目指す食品対象遺伝子検査企業などにサービスを売り込む。3年後にライフサイエンス事業全体で20億円の売り上げを目指す。
  • 富士通が材料系CCS製品の統合プラットホーム計画「SCIGRESS」
     2007.11.06−富士通は、化学・材料研究のための統合コンピューターケミストリーシステム(CCS)の体系を一新し、新たな統合プラットホーム製品「SCIGRESS」(サイグレス)を来年6月にリリースする。MaterialsExplorer(マテリアルエクスプローラー)、ScigressExplorer(サイグレスエクスプローラー)、MOPACなどの既存製品の機能を移行しつつ、コアとなるアーキテクチャーを新しくすることにより、外部の計算エンジンなどを柔軟に取り込んで幅広いアプリケーションに対応できるようにする。新たに、文部科学省プロジェクト「革新的シミュレーションソフトウエアの研究開発」(RSS21)で開発中の第一原理擬ポテンシャル密度汎関数法ソフト「PHASE」を独自に商用化して提供するほか、菱化システムとの協業に基づいて「ADF」もシームレスに利用可能となる。
  • FQSがADMEWORKSの最新バージョン4、代謝・阻害定量モデルなど強化
     2007.11.16−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は15日、化合物のADME(吸収・分布・代謝・排出)および毒性を予測するシステム「ADMEWORKS」の最新バージョン4を発売したと発表した。予測できる項目の追加や精度向上を図っている。ソフト価格は、予測のためのモデル構築機能付きが年間ライセンス220万5,000円から、予測専用システムは同126万円から。1年間に50本の販売を見込んでいる。
  • 菱化システムがMOPAC2007を正式に発売、新たにPM6法を採用
     2007.11.30−菱化システムは、半経験的分子軌道法ソフト「MOPAC2007」の販売権を取得し、このほど正式に国内で販売・サポートを開始した。米スチュワート・コンピューテーショナル・ケミストリーが開発したもので、菱化システムは海外における最初の代理店ということになるようだ。ただ、開発元は大学などの教育機関に対しては製品を無償で提供しており、販売は民間企業および官公庁向けが対象となる。WindowsまたはLinuxで動作し、価格は企業向けで62万6,250円から。
  • 富士通:小倉誠常務理事インタビュー、重要な節目を迎えるCCS事業
     2007.12.05−富士通のコンピューターケミストリーシステム(CCS)事業は、新たなステージに進みつつある。この市場において、国内で最も古いベンダーであり、また途中で中断することなく、長年にわたって事業を継続。その事業戦略は時々に応じて変化してきたが、ここへ来てパッケージソフトを中心としたビジネスと、実際に有望な候補化合物を生み出すまでの創薬支援サービスの2分野が絞り込まれ、それぞれ重要な節目を迎えつつある。CCS事業を統率する小倉誠常務理事・バイオIT事業開発本部長に話しを聞いた。
  • 菱化システムが環境関連コンソーシアムの参加募集、安全性リスク評価
     2007.12.19−菱化システムは、コンピューターケミストリーシステム(CCS)事業との関連で、欧州などで強化される化学物質規制の動きに対応し、新規化合物の開発段階でその安全性を評価するためのシステム開発を目指す「DEDICATESコンソーシアム」への参加を呼びかける窓口業務を始めた。これは、同社が代理店を務めている仏サイエノミックス社がフランスの国立産業環境災害研究所(INERIS)と共同で実施するプロジェクト。費用と時間のかかる安全性試験の実施件数を削減し、環境対策による開発コストの増大を抑制することを目的としている。
  • アクセルリスがパイプラインパイロットを教育機関に無償提供
     2007.12.21−アクセルリスは、コンピューターケミストリーシステム(CCS)関連の各種処理の手順をパイプラインのようにつないでワークフロー化するミドルウエア製品「パイプラインパイロット」(PP)の無償版を開発し、スチューデントエディションとして教育機関向けに公開した。スタンドアロン使用に限られるなど、若干の機能制限はあるが、製品版と同等の使い方が可能。PPは、30社以上がISV(独立系ソフトベンダー)としてコンポーネントなどを提供しているが、今回の無償版を用意したことによって大学などのノウハウをPPのプラットホーム上に取り込む狙いがあるものとみられる。

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • 米デルのマイケル・デル会長が会見、“ITのシンプル化”構想を発表
     2007.10.30−米デルのマイケル・デル会長兼CEOが29日、都内で記者会見し、新しいグローバル戦略“ITのシンプル化”(SIMPLIFY IT)構想を発表した。「顧客はITがますます複雑化することを懸念している。顧客のIT投資はおう盛だが、70%は既存のITのためのメンテナンスに費やされている。新しいITに振り向ける配分を多くし、ビジネスの成長や生産性向上のためにもっとITを活用してもらう」(デル会長)ことが狙い。エンドツーエンドのソリューションとし、国内ではパートナー戦略とも絡めて推進していく。
  • AJS:藤田純司社長インタビュー、SAP導入経験を武器に拡大へ
     2007.11.15−AJSは、1987年に旭化成情報システムとして設立された情報サービス事業会社だが、大手システムインテグレーターのTISが株式の51%を取得したことにより、2005年4月からTISグループの1社として活動。昨年4月に社名をAJSと変え、プロセス系製造業を得意領域とする企業としてグループ内でも重要な位置を占めている。今年4月に就任した藤田純司社長は、「ソフトウエア開発は請負業であり、基本的に利益を出しやすいビジネスとはいえない。その中でいかに収益性を確保するか、グローバル展開・オフショア開発への対応をどうするかなど、課題は多い。また、ソフト産業の“3K”(きつい・厳しい・帰れない)イメージを払拭し、明るく夢のある会社にしたい」と話す。
  • シマンテックがボットネット対策専用ソフト、既存ウイルス対策を補完
     2007.11.30−シマンテックは28日、個人向けセキュリティソフトの新製品として、ボットネット対策に特化した「ノートン・アンチボット」を発売すると発表した。知らない間にパソコンの中に入り込み、スパム送信などを行わせる“ボット”をリアルタイムで検出し、駆除する機能を持つ。通常のウイルス対策ソフトと組み合わせて使用することができ、価格は年間ライセンス(3台までインストール可能)で3,990円。

 

 


ニュースファイルのトップに戻る