CCSニュースファイル
   2013年1−3月

  • 米CASなどが「STN」の新プラットホーム版をベータリリース
      2013.01.18−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)と独FIZカールスルーエが共同で運用するオンラインサービス「STN」の新プラットホーム版が、昨年12月にリリースされた。一部ユーザー向けのベータ版という位置づけだが、早ければ2013年内にも正式サービスに移行するとみられる。ウェブブラウザーで利用でき、特許専門家向けのプロフェッショナルツールとして検索機能が大幅に強化されるとともに、操作性が格段に向上している。ただし、詳細についてはまだ未公表で、今後が注目される。
  • 米アクセルリスがスイスのSIベンダー「ビアリス社」を買収
      2013.01.25−アクセルリスは、製薬・化学などの実験情報のペーパーレスソリューションを提供するスイスのビアリス(Vialis AG、CEO=Ulf Fuchslueger)を500万ドルで買収したと発表した。欧州において電子実験ノートブック(ELN)や研究情報管理システム(LIMS)などの構築・導入プロジェクトを手掛けるシステムインテグレーターで、シミックス時代から長年のパートナー関係にあった。ビアリス社はコンサルティングサービスでも実績豊富で、新領域に事業を広げているアクセルリスにとっては、専門ノウハウの補完の意味でも、今回の買収は大きなメリットがあるようだ。
  • 富士通九州システムズが「LiqCryst」最新バージョン5.2を発売
      2013.02.13−富士通九州システムズ(FJQS)は12日、アジア総代理店として液晶化合物データベース「LiqCryst」の最新バージョン5.2を13日から発売すると発表した。液晶研究の専門家である独ハンブルグ大学のフォルクマル・フィル教授が開発したもので、今回は新たな文献や特許情報から得られた約1,300件の新規化合物情報を追加している。また、年間ライセンスも新設され、導入がしやすくなっている。
  • パトコアが法規制物質判定ソフトをバージョンアップ、包括指定対応など
      2013.02.20−パトコアは、化学構造から法規制物質を判定する「CRAIS Checker」(CRAISチェッカー)を機能強化し、最新バージョン2.4を20日から発売する。厚生労働省が新しく省令を公布した薬事法の「包括指定」に対応するなど、サポートする法令を増やしたほか、パフォーマンスも大幅に改善している。また最近では、製薬業以外の製造業や輸出入業者などからの引き合いが活発化していることを受け、クラウド型のサービスも正式に提供開始する。
  • エルゼビア・ジャパンが創薬化学向け新DBサービス
      2013.03.07−エルゼビア・ジャパンは、医薬品開発を効率化する創薬化学者向けの新しいデータベース(DB)サービス「Reaxys Medicinal Chemistry」(Reaxysメディシナルケミストリー)を提供開始した。1月に買収した仏オウレウスサイエンスが所有していたDBを加えて240万化合物、900万件の生物学データ、5,100のターゲット情報を収録している。創薬研究において、薬効だけでなく、ターゲットに対する選択性やADME(吸収・分布・代謝・排出)特性、安全性などを考慮することにより、パイプラインから脱落する候補化合物を減らすことができるという。使用料金は年間定額のコーポレートライセンスで、ユーザーの研究規模に応じた見積もりとなる。
  • JSTの科学技術文献検索サービスがジー・サーチに移管、JDreamIII
      2013.03.13−科学技術振興機構(JST)が提供している文献情報サービス「JDream II」(ジェイドリーム・ツー)が、4月1日から民間のジー・サーチに移管され「JDream III」(ジェイドリーム・スリー)としてリニューアルされる。これは、2010年に当時の民主党政権下で行われた事業仕訳に基づいて検討が進められたもので、昨年5月にジー・サーチへの移管がプレスリリースされている。今回、2月28日に開かれたJST情報シンポジウムで詳細が公開された。検索モードが強化され使いやすくなっているほか、他のサービスと組み合わせることでさまざまなメリットを提供できるとしている。料金は従量制と固定料金制を選択できる。
  • 日本テラデータが製薬業向けビジネス戦略を強化、アウトカム分析
      2013.03.20−日本テラデータは、国内の製薬業向けビジネスを強化する。IT業界でトップクラスのビッグデータ管理・分析技術を駆使し、新薬開発・臨床研究にかかわる多種多様なデータを迅速で的確な経営判断につなげる統合ソリューションを提供する。とくに、欧米のメガファーマでの導入実績をテコに、最近注目されているメディカルアウトカム(医学的転帰=治療後の状態)分析への有効性などを訴えていく。
  • 富士通九州システムズが4月から「ADMEデータベース」バージョン30
      2013.03.26−富士通九州システムズ(FJQS)は、薬物の体内動態に関する情報を集めた「ADMEデータベース」を更新し、4月1日からバージョン30として最新版を提供開始する。継続的な文献調査を通じ、約200件の文献から約1,300件のデータを追加している。医薬品開発にともなう情報収集を効率化するメリットがある。

 

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • 米バーダシス:ティレル副社長インタビュー、見える化で企業情報保護
      2013.01.25−企業向けに情報漏洩対策(DLP)技術を提供する米国ベンダーのバーダシス(本社・マサチューセッツ州、ジム・リコッタ社長兼CEO)が日本市場でのさらなる事業拡大に乗り出した。設立済みの日本法人の体制を刷新し、強力な新製品の投入を通して急ピッチでの成長を目指す。「企業の知的財産保護にフォーカスした統一型のソリューションを持つベンダーは当社だけ。対策はできていると思っている企業は多いが、情報を盗もうとする側は先回りをして新たな攻撃を仕掛けてくる。そうしたとき、われわれの考える情報保護ための原理原則が生きてくる」と語るピーター・ティレル(Peter Tyrrell)ワールドワイドセールス担当副社長、「3年後には150社以上の顧客をサポートできる体制を築き、全社における日本の売上比率を30%に高める」という目標を掲げる日本法人の大橋裕司社長に戦略を聞いた。
  • オムロンと日本マイクロソフトが生産現場のビッグデータ活用で提携
      2013.01.31−オムロンと日本マイクロソフトは30日、生産現場におけるビッグデータ活用で提携したと発表した。プログラマブルロジックコントローラー(PLC)を介して刻々と変化する生産データを高速・精密にデータベース(DB)へと吸い上げ、生産活動を見える化するとともに、柔軟なデータ分析を通して、速やかに改善への道筋をつけることを狙いとしている。協業の第1弾として、オムロンのPLC「Sysmac NJシリーズ」とマイクロソフトのリレーショナルデータベース「SQLサーバー」を直結するための製品を4月下旬から提供開始する。PLCとDBを直結する製品は業界初だという。営業・マーケティングでも協力し、年内に30社への導入を目指す。
  • デルが国内で情報セキュリティサービス提供、セキュアワークス事業開始
      2013.02.06−デルは5日、企業向けサービス事業を強化する目的で、新たに情報セキュリティサービス事業に進出すると発表した。米国本社が2011年に買収したセキュアワークスに基づくサービスを日本でも正式に提供開始するもの。高度な専門知識と深い経験を持つ1,000人のプロ集団が情報セキュリティのあらゆる課題に対する解決策を提供する。すでに1年間ほどプレマーケティングを展開してきており、実際に活発な引き合いを得始めているという。
  • 日本マイクロソフトが「新Office」を発売、Windows8に最適化
      2013.02.08−日本マイクロソフトは6日、Officeの最新バージョンを7日から発売すると発表した。Windows 8に最適化され、タブレット端末やスマートフォンを含めたマルチデバイス環境に対応する新しい利用法を実現したことが特徴。発表に際し、樋口泰行社長は「Windows 8と今回の新Officeで両輪が揃った。春・夏商戦に向けて国内のPC市場を盛り上げ、日本経済の成長に貢献したい」と気勢をあげた。店頭パッケージが2万9,800円からの価格で発売されるほか、14社のハードベンダーから170機種のプリインストールPCが順次提供開始される。
  • デルが個人向けPCの新シリーズ、動画像編集に強い機種を揃える
      2013.03.05−デルは、コンシューマー向けPCの新戦略として「Dell Graphic Pro シリーズ」8機種を発表した。デジタル一眼レフカメラやフルHDビデオカメラなどを利用してさまざまな動画像作品/デジタルコンテンツ制作を楽しむ上級ユーザー向けのシリーズで、既存の製品の中から動画像編集に強いプロ向け仕様のスペックを持つモデルを厳選したもの。「ゲーミングPC」「ウルトラブック」に続く、コンシューマー戦略の第3の柱に位置付けている。
  • 日本マイクロソフトが自社ブランドのタブレット端末、Windows RT モデル
      2013.03.05−日本マイクロソフトは1日、自社ブランドのタブレット端末「Surface RT」を15日から発売すると発表した。米国では昨年10月にリリースされた製品で、日本市場への投入が待たれていた。OSにWindows RTを採用したタブレット端末で、カバー兼用のキーボードを装着するとパソコンのように利用することが可能。ハード的には欧米の製品と同等だが、日本向けの特別仕様となっている部分もあり、市場からの反響が注目される。
  • アスペンテックジャパンが「AspenONE」の最新バージョン8をリリース
      2013.03.15−アスペンテックジャパンは、プロセス産業向け統合ソリューションパッケージ「AspenONE」を機能強化し、最新バージョン8として国内でも提供を開始した。機能としては、大きくエンジニアリグ、製造・サプライチェーンに分かれており、全体としてプロセス型製造業の経営を効率化し、収益力を大幅に改善することができる。欧米の導入事例では、企業の利益を5%以上高める力があるという。
  • インターネットバンキングを狙う不正アクセス事件が多発、警察庁が報告
      2013.03.16−シマンテックは14日、サイバー犯罪が拡大している実態を知らしめる目的で、報道関係者向けに「ノートン サイバー犯罪啓発セミナー」を開催した。警察庁で実際に捜査の最前線に立つ捜査官が講演し、最新の検挙状況などを報告した。とくに、最近ではインターネットバンキングを狙った不正アクセス事件が頻発していることに最も頭を悩ませているという。この分野では、2011年の被害総額が約3億800万円にのぼっており、2012年は約4,900万円まで減少したが、今年はすでに3,000万円を超える被害が発生している。「セキュリティソフトを導入し、必ずアップデートしてほしい。そうすればほとんどの被害は防げている」と訴えた。

 

 


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